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鼻づまりが片方だけ起こる原因とは?左右差がある鼻詰まりの対処法

2026.03.04


1.片方だけの鼻づまりが起こる理由
2.左右交互に詰まる場合の原因
3.片方だけの鼻づまりの症状と合併症
4.診察と検査の流れ
5.片方だけの鼻づまりの治療法
6.自宅でできる鼻づまり対処法
7.よくある質問(FAQ)
8.まとめ
「片方の鼻だけが詰まって息苦しい」「左右交互に詰まるのはなぜ?」

鼻づまりは両側同時に起こるイメージがあります。けれど、実際には片方だけ、あるいは左右交互に詰まるケースも珍しくありません。

こうした左右差のある鼻づまりには、それぞれ特有の原因が潜んでいます。

鼻中隔弯曲症や副鼻腔炎、鼻茸など、放置すると悪化するケースもあるため、早期の適切な対処が肝要です。今回は、片方だけの鼻づまりに焦点を当て、その原因と改善方法を詳しく解説します。

片方だけの鼻づまりが起こる理由

鼻づまりは、鼻腔で空気の通り道がなんらかの理由でふさがれることで起こります。

両側が同時に詰まる場合もあれば、片方だけが詰まる場合もあります。片方だけ常に鼻詰まりを起こしている場合には、鼻中隔弯曲症の可能性が高いです。

鼻中隔とは、2つの鼻の穴の間にある仕切りのことです。この鼻中隔が大きく彎曲していると、片側の鼻腔が極端に狭くなり、空気の通りが悪くなります。成人であればたいていの場合、左右どちらかに曲がっているのですが、その曲がり方が大きい場合に症状が現れます。

また、片方だけに鼻茸ができている可能性もあります。鼻茸は、副鼻腔の粘膜が炎症で弱くなり、やがて水を注入されたように粘膜がやわらかく腫れる組織変化を起こしたものです。副鼻腔から鼻腔に飛び出すことにより、鼻詰まりを起こします。特に片方の鼻だけに存在する場合は、良性腫瘍である乳頭腫の可能性があり注意が必要です。

鼻中隔弯曲症とは

鼻中隔弯曲症は、鼻中隔の弯曲の度合いが大きく、それが原因となって鼻詰まりや鼻血が出やすいなどの症状が出て日常生活に支障がある場合に診断されます。

鼻中隔は「鼻中隔軟骨」「篩骨正中板」「鋤骨」という軟骨と骨で構成されており、成長過程でそれぞれの発育スピードが違うためバランスを崩しやすいのです。成長と共に曲がっていくため、小児には鼻中隔弯曲がほとんどなく、成人になってはじめてわかります。

人類の進化がもたらした病気とも言われています。2足歩行する動物だけに見られる現象なので、直立したことから引き起こされた問題だと考える説が有力です。人類の脳は大きく発達しており、鼻の上にある前頭葉は特に大きく、その重みが鼻中隔にかかることで曲がってしまうのだとも言われています。

副鼻腔炎による片側の鼻づまり

副鼻腔炎は、鼻と狭い通路を通じてつながる副鼻腔に炎症が起こる病気です。

感染症やアレルギーによる炎症が進行すると、副鼻腔に粘り気のある鼻水が溜まり、それが鼻に排出されて鼻づまりを引き起こします。青く濃度の高い鼻汁が出たり、鼻汁が喉に回り痰や咳が出やすくなった場合には、副鼻腔炎の可能性があります。

副鼻腔炎による鼻づまりは、粘膜の腫れよりも鼻水が原因で起こることが多いですが、鼻茸による閉塞が原因となることもあります。

左右交互に詰まる場合の原因

左右が交互に鼻詰まりを起こす場合は、鼻中隔弯曲症が疑われます。

ただし、片方が交互に鼻づまりになる場合でも、病的な状態ではないケースも考えられます。これは「ネーザルサイクル」と呼ばれ、数時間ごとに若干の鼻閉が左右交代して起こる生理現象です。

ネーザルサイクルのメカニズム

自律神経の働きが左右交互に強くなったり弱くなったりすることから起こります。

例えば、右の交感神経の働きが強くなると血管を収縮させ、鼻粘膜は縮小します。つまり、右鼻の通りがよくなり、空気をたくさん取り込めます。そのとき、左の交感神経は、左右のバランスをとるように働きが弱くなり、左鼻の通りが悪くなります。

健康な人でも起こる現象ですが、鼻中隔弯曲症がある場合には、この現象がより顕著に感じられることがあります。

鼻中隔弯曲症による左右交互の鼻づまり

鼻中隔が大きく弯曲していると、鼻腔の通気が悪くなります。

曲がって出っ張った部分の粘膜が引き延ばされて薄くなるため、粘膜にもトラブルが起こりやすくなります。鼻は呼吸という生存に欠かせない基本となる機能を担う器官です。そのため鼻に症状を抱えているとQOL(生活の質)が著しく下がり、本来持っている能力や才能を活かしきれなくなってしまうケースも出てきます。

特に片方の鼻腔がよく詰まる場合、そちら側の鼻腔に鼻中隔が突き出ていて、空気の通り道が狭くなっていると考えられます。

片方だけの鼻づまりの症状と合併症

片方だけの鼻づまりは、単に息苦しいだけでなく、様々な症状や合併症を引き起こす可能性があります。

代表的な症状

鼻詰まりは、最も多い症状です。特に片方の鼻腔がよく詰まる場合、そちら側の鼻腔に鼻中隔が突き出ていて、空気の通り道が狭くなっていると考えられます。

鼻出血も起こりやすくなります。曲がった鼻中隔が鼻腔に突き出ている部分の粘膜は薄く引き延ばされているため、血管が傷付きやすくなっています。鼻血を伴なう場合には、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎のほか、鼻内腫瘍の疑いもあります。

アレルギー性鼻炎の悪化

鼻中隔が弯曲していてもともと狭い鼻腔が、アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れでさらに狭まってしまうため、鼻汁、鼻詰まりといった症状が悪化しやすくなります。

年代にかかわらず多いのはアレルギー性鼻炎による鼻詰まりです。アレルギーの治療薬の抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサンA2薬という、鼻詰まりに効果的な薬が開発されていますので、これを数週間以上、指示通りに飲むことで鼻詰まりがかなり改善するケースが増えています。

慢性副鼻腔炎への進行

鼻腔が狭く、よく鼻詰まりを起こすと、鼻腔の通気性が失われて細菌が繁殖しやすい環境になります。

その結果、粘膜が炎症を起こしやすくなり、炎症を繰り返すことで慢性副鼻腔炎の原因につながります。頭痛や分泌物の増加など、慢性副鼻腔炎の症状が現れ出したら注意が必要です。

頭痛や片頭痛

鼻中隔弯曲症で鼻呼吸ができず口呼吸を繰り返すようになると、呼吸が浅くなって脳が必要とする酸素が不足し、しつこい頭痛や、吐き気を伴う片頭痛といった症状が現れることがあります。

その他、ひどいいびきやしつこいくしゃみに悩まされるケースや、味覚障害や嗅覚障害、中耳炎などを引き起こすこともあります。

診察と検査の流れ

原因を正確に知って正しい治療を受けるためには、耳鼻咽喉科での診察や検査が必要です。

視診

鼻中隔を直接観察する検査です。「鼻鏡」という器具で鼻孔を広げて観察します。専門医であれば、この視診でどの程度弯曲しているかをかなり正確に判断できます。

内視鏡検査

細い内視鏡を挿入し、粘膜の状態も含め、鼻腔を詳細に観察します。

診察では、視診の他、必要に応じてレントゲン検査、CT検査、血液検査、ファイバースコープや電子スコープによる検査を行います。

CT検査

鼻中隔の弯曲は千差万別です。CT検査では、エックス線で鼻を断層撮影して、鼻中隔がどのように曲がっているか、さらには副鼻腔炎の合併などを正確に把握することができます。

症状の程度や、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの合併症の有無を調べる検査を行います。この検査結果を基に治療方針を立てていきます。

片方だけの鼻づまりの治療法

鼻詰まりは、基本的に処置とネブライザーによる治療、内服薬や点鼻薬の処方を組み合わせた外来による通院治療を行います。

内服薬による治療

アレルギー性鼻炎による肥厚性鼻炎の場合、抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサンA2薬という、鼻詰まりに効果的な薬が開発されています。これを数週間以上、指示通りに飲むことで鼻詰まりがかなり改善するケースが増えています。

副鼻腔炎による肥厚性鼻炎の場合、粘膜が一時的に腫れている場合には、抗炎症剤を内服することで効果が出る場合があります。副鼻腔炎による鼻茸には、マクロライド系抗生物質、抗炎症剤など副鼻腔炎の内服薬を1~3ヶ月程度服用することで鼻茸が縮小することがあります。ただし、効果には個人差が大きく、ほとんど効果が現れない可能性もあります。

点鼻液による治療

一般的にはステロイドの点鼻液を使用します。ステロイドには抵抗を感じる方が多いのですが、ステロイド点鼻液の場合、ほとんど副作用の心配がないといわれています。

常用することで鼻詰まりが悪化してしまうのは、血管収縮剤の点鼻液です。血管収縮剤の成分が入った点鼻液は速効性があり、鼻詰まりには目覚ましい効果があります。ただし、常用するとリバウンドにて逆に鼻粘膜が肥厚し、頑固な鼻詰まりを起こしてしまいます(薬剤性鼻炎)。

処置とネブライザーによる治療

鼻汁を吸引して鼻内を清掃し、ネブライザーで鼻内にステロイドや抗ヒスタミン剤を行き渡らせます。

ネブライザーは耳鼻咽喉科にある治療機器で、コンプレッサーによって霧状になった薬剤を鼻腔のすみずみにまで届けますので、点鼻薬を使うより高い効果が得られます。ただし、通院して受ける必要があります。

手術による治療

通常、医師の指示通りに通院して治療を受けても効果が見られない場合は手術を検討しますが、検査により最初から手術以外では改善が見込めないケースであることがわかる場合もあります。また、再発を繰り返すような場合にも、根本的な治療を望まれるのであれば手術をお勧めすることがあります。

鼻中隔弯曲症は骨と軟骨の形が原因となっているため、それによる鼻詰まりである場合には、薬や処置では治らず手術が必要です。曲がった軟骨を手術でまっすぐにするなどの治療が必要になってきます。

アレルギー性鼻炎による肥厚性鼻炎で、薬や処置による治療で効果が見られない場合には、粘膜を減量する鼻腔粘膜焼灼術、アレルギーに関与した神経の過敏性を押さえる後鼻神経凍結手術、切断手術、さらに粘膜の奥にある骨を削る粘膜下下鼻甲介骨切除術が可能です。

副鼻腔炎による肥厚性鼻炎の場合、副鼻腔炎の炎症がある場合には鼻内副鼻腔手術を行い、必要に応じて鼻粘膜焼灼や粘膜下鼻甲介骨切除を行って鼻腔内の空気を通りやすくします。

鼻茸だけ切除する場合と、副鼻腔炎の手術と鼻茸切除を同時に行う場合があります。腫瘍は自然になくなることはないので、手術で摘出する必要があります。

自宅でできる鼻づまり対処法

耳鼻咽喉科での治療と並行して、自宅でできる対処法を実践することで、症状の緩和が期待できます。

保湿と血行促進

ワセリン塗布や蒸しタオルをおすすめします。ワセリンには保湿効果があるため、鼻の入り口に塗ることで鼻粘膜が保護され、鼻閉感を和らげるといわれています。

温かい蒸しタオルを鼻に当てると鼻粘膜の血行が促進され、鼻づまりを緩和させるのに効果的です。特に、加齢に伴う鼻粘膜の機能低下がみられる人にはおすすめです。

鼻うがい

生理食塩水や市販薬を使用した鼻うがいは、粘り気のある鼻水が溜まる副鼻腔炎には効果が期待できます。

ただし、アレルギー性鼻炎の場合は、鼻うがいだけでは根本的な解決にはなりません。医師の指示に従って、適切な治療を受けることが重要です。

アレルゲンの回避

アレルギー性鼻炎が原因の場合、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを避けることが大切です。

マスクの着用や部屋の換気、こまめな掃除といった日常生活の工夫が、症状の緩和につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 片方だけの鼻づまりは自然に治りますか?

一時的な炎症による場合は、数日で自然に治ることもあります。ただし、鼻中隔弯曲症や鼻茸など構造的な問題が原因の場合は、自然に治ることはありません。長期間続く場合は、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

Q2. 左右交互に詰まるのは病気ですか?

数時間ごとに左右交互に詰まる「ネーザルサイクル」は、健康な人でも起こる生理現象です。ただし、鼻中隔弯曲症がある場合には、この現象がより顕著に感じられることがあります。日常生活に支障がある場合は、受診を検討してください。

Q3. 市販の点鼻薬を使っても大丈夫ですか?

血管収縮剤の成分が入った点鼻液は速効性がありますが、常用すると逆に鼻粘膜が肥厚し、頑固な鼻詰まりを起こしてしまいます(薬剤性鼻炎)。ステロイドの点鼻液は副作用の心配がほとんどないといわれていますが、使用前に医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

Q4. 手術は必ず必要ですか?

薬や処置による治療で効果が見られる場合は、手術は必要ありません。ただし、鼻中隔弯曲症など構造的な問題が原因の場合や、再発を繰り返す場合には、手術を検討することがあります。検査により最初から手術以外では改善が見込めないケースであることがわかる場合もあります。

Q5. 子どもの片方だけの鼻づまりは心配ですか?

幼児の場合は、親が気付かない間に思いもかけないものを鼻に詰めていることは珍しくありません。ティッシュの切れ端やごく小さなおもちゃ、食べ物などが入っている場合もあります。異物が入ったまま放置すると、炎症を起こし、強い鼻詰まりや鼻汁の症状が現れます。片方だけ青ばなが多くなる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

まとめ

片方だけの鼻づまりには、鼻中隔弯曲症や副鼻腔炎、鼻茸など、様々な原因が考えられます。

左右交互に詰まる場合は、生理現象である「ネーザルサイクル」の可能性もありますが、鼻中隔弯曲症が原因で症状が顕著になっていることもあります。

放置すると、アレルギー性鼻炎の悪化や慢性副鼻腔炎への進行、頭痛や睡眠障害など、様々な合併症を引き起こす可能性があります。

治療は、内服薬や点鼻液、ネブライザーによる通院治療が基本ですが、構造的な問題が原因の場合や、薬物療法で効果が見られない場合には、手術を検討することもあります。

自宅でできる対処法として、保湿や血行促進、アレルゲンの回避なども有効です。

長期間続く片方だけの鼻づまりは、早期に耳鼻咽喉科を受診し、原因を特定して適切な治療を受けることが重要です。

詳しい診断や治療については、専門の耳鼻咽喉科医にご相談ください。

コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。 いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
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ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。

コレ―ジュクリニックとは

医師紹介

都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。

  • 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
  • 日本めまい平衡医学会 参与
  • 日本臨床医療レーザー協会 会員
  • 帝京大学医学部 元准教授

いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。

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