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副鼻腔炎による鼻詰まりの治し方|原因から最新治療まで専門医が解説

2026.03.05


1.副鼻腔炎とは?鼻詰まりが起こるメカニズム
2.副鼻腔炎の症状と診断方法
3.副鼻腔炎による鼻詰まりの治療法
4.特殊な副鼻腔炎:好酸球性副鼻腔炎について
5.当院の副鼻腔炎治療に対するアプローチ
6.よくある質問(FAQ)
7.まとめ
鼻詰まりが長引くと、日常生活に大きな支障をきたします。

特に副鼻腔炎による鼻詰まりは、放置すると慢性化し、頭痛や集中力の低下、睡眠の質の悪化など、さまざまな問題を引き起こしやすい状態です。実際、副鼻腔炎の患者さんは日本に100万人から200万人いるとされ、そのうち鼻茸が存在するような慢性副鼻腔炎患者が約20万人に上ります。

当院では、耳鼻咽喉科専門医として長年にわたり副鼻腔炎の診療に携わってきました。急性と慢性の違いを正確に見極め、症状に応じた最適な治療プランをご提案することで、根本的な改善を目指しています。薬物療法、ネブライザー治療、そして必要に応じた手術療法まで、幅広い選択肢の中から患者さん一人ひとりに合った治療法を選択することが肝要です。

この記事では、副鼻腔炎による鼻詰まりの原因から最新の治療法まで、専門医の視点で詳しく解説します。

副鼻腔炎とは?鼻詰まりが起こるメカニズム

副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔という空洞に炎症が起こる病気です。

副鼻腔には、ほっぺたの裏側にある上顎洞、両目の間にある篩骨洞、おでこの裏にある前頭洞、鼻の奥の一番深いところにある蝶形骨洞の4種類が左右に存在します。これらの副鼻腔は全て細い穴で鼻腔に通じており、正常では薄い粘膜で覆われ、それ以外は空気で満たされています。

風邪などのウイルスや細菌の感染によって鼻腔に炎症が起こると、副鼻腔にも炎症が及びます。これが急性副鼻腔炎です。急性の場合には自然に治ったり、短期間の薬物療法で比較的簡単に治ることが多いです。

問題となるのは、副鼻腔粘膜の炎症が長引いた場合です。本来うみを排出する能力を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまいます。さらに炎症が治りにくくなるという悪循環におちいる状態が、慢性副鼻腔炎、俗に言う蓄膿症です。ひどいときには腫れた粘膜が鼻腔まで広がって、ポリープ(いわゆる鼻茸)になったりします。

鼻詰まりが起こる6つの原因

鼻腔で空気の通り道がなんらかの理由でふさがれると鼻詰まりが起こります。その理由で考えられるのは次のようなものです。

  • 鼻腔の粘膜の腫れ:炎症やアレルギーによって腫れが起こっている状態。鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、妊娠性鼻炎が原因となります。
  • 鼻汁の溜まり:鼻汁が溜まると空気の通り道が狭くなります。鼻の粘膜の腫れを伴うことがほとんどなので、鼻詰まりがより悪化します。
  • 軟骨や骨による狭窄:鼻中隔が大きく彎曲していたり、下鼻甲介が分厚いことなどによって空気の通り道が極端に狭くなっている状態。鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎が原因となります。
  • 鼻茸などのできもの:副鼻腔の粘膜や鼻粘膜が炎症で弱くなると、粘膜が腫れてきます。水を注入されたように粘膜がやわらかく腫れる組織変化を起こしたものが鼻茸であり、副鼻腔から鼻腔に飛び出すことにより鼻詰まりを起こします。
  • 鼻腔内異物:ティッシュの切れ端などが鼻腔内に残っていることで鼻詰まりが起こります。幼児の場合は、親が気付かない間に小さなおもちゃや食べ物などを詰めていることは珍しくありません。
  • 鼻咽喉の腫れ:鼻と喉の間にある咽頭扁桃が生理的に肥大したアデノイドという病気が代表的で、3歳~6歳頃までに大きくなり、その後徐々に小さくなっていくと言われています。

年代にかかわらず多いのはアレルギー性鼻炎による鼻詰まりです。世代によって特徴的に多くなるのは、乳児期のアデノイド、大人の肥厚性鼻炎や鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎です。

副鼻腔炎の症状と診断方法

副鼻腔炎の主な症状

副鼻腔炎には、いくつかの特徴的な症状があります。

  • 青く濃度の高い鼻汁:急性副鼻腔炎の場合は青っぱなのようなうみの混じった鼻汁がよく見られます。慢性期には白い粘調な鼻水が多く認められます。
  • 後鼻漏:鼻水が前に出るだけではなく、のどの方に流れて咽頭炎や気管支炎の原因になることもあります。
  • 鼻詰まり:鼻腔や副鼻腔の粘膜が腫れたり、ポリープになったりすると、空気の通る隙間が狭くなり鼻詰まりが起こります。
  • 痛み:急性の副鼻腔炎によく認められる症状ですが、ほっぺたや両眼の間の痛み、額などの頭痛などが起こることがあります。
  • 嗅覚障害:匂いを感じる嗅裂部の粘膜が腫れたり、炎症が長引いたりすると嗅覚障害が起こることがあります。治療が遅れると改善しにくい事もしばしばあります。

青く濃度の高い鼻汁が出たり、鼻汁が喉に回り痰や咳が出やすくなった場合には、副鼻腔炎の可能性があります。片方だけ常に鼻詰まりを起こしている場合には、鼻中隔弯曲症の場合が多く、片方だけに鼻茸ができている可能性もあります。左右が交互に鼻詰まりを起こす場合は、鼻中隔弯曲症が疑われます。鼻血を伴なう場合には、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎のほか、鼻内腫瘍の疑いもあります。

診察と検査の流れ

原因を正確に知って正しい治療を受けるためには、耳鼻咽喉科での診察や検査が必要です。

診察では、視診の他、必要に応じてレントゲン検査、CT検査、血液検査、ファイバースコープや電子スコープによる検査を行います。当院では、これらの検査を組み合わせることで、副鼻腔炎の状態を正確に把握し、最適な治療方針を決定します。

特にCT検査は、副鼻腔の状態を詳細に観察できるため、重症度の判定や手術の必要性を判断する上で重要な役割を果たします。

副鼻腔炎による鼻詰まりの治療法

副鼻腔炎の治療は、基本的に処置とネブライザーによる治療、内服薬や点鼻薬の処方を組み合わせた外来による通院治療を行います。

通常、医師の指示通りに通院して治療を受けても効果が見られない場合は手術を検討しますが、検査により最初から手術以外では改善が見込めないケースであることがわかる場合もあります。また、再発を繰り返すような場合にも、根本的な治療を望まれるのであれば手術をお勧めすることがあります。

薬物療法

副鼻腔炎の薬物療法では、抗炎症剤を内服することで効果が出る場合があります。

粘膜が一時的に腫れている場合には、抗炎症剤の内服が有効です。また、副鼻腔炎による鼻茸にはマクロライド系抗生物質を1~3ヶ月程度服用することで鼻茸が縮小することがあります。ただし、効果には個人差が大きく、ほとんど効果が現れない可能性もあります。

一時的に鼻詰まりを解消する必要がある場合には、ステロイドの点鼻液を使用します。ステロイドには炎症を抑える強力な作用があり、ある程度の効果が期待できます。ステロイドには抵抗を感じる方が多いのですが、ステロイド点鼻液の場合、ほとんど副作用の心配がないといわれています。

ネブライザー治療

鼻汁を吸引して鼻内を清掃し、ネブライザーで鼻内にステロイドや抗生物質を行き渡らせます。

ネブライザーは耳鼻咽喉科にある治療機器で、コンプレッサーによって霧状になった薬剤を鼻腔のすみずみまで届けますので、点鼻薬を使うより高い効果が得られます。副鼻腔炎による肥厚性鼻炎の鼻詰まりでは、効果にかなり個人差があります。

当院では、患者さんの症状に応じて適切な薬剤を選択し、ネブライザー治療を行っています。通院して受ける必要がありますが、継続的な治療により症状の改善が期待できます。

手術療法

薬や処置によって鼻詰まりが治らない場合、手術を検討する必要があります。

副鼻腔炎の炎症がある場合には鼻内副鼻腔手術を行い、必要に応じて鼻粘膜焼灼や粘膜下鼻甲介骨切除を行って鼻腔内の空気を通りやすくします。鼻茸だけ切除する場合と、副鼻腔炎の手術と鼻茸切除を同時に行う場合があります。

鼻中隔弯曲症は骨と軟骨の形が原因となっているため、それによる鼻詰まりである場合には、薬や処置では治らず手術が必要です。

手術は根本的な原因を解消するものですので、再発と治療を繰り返すより結果的に治療にかける時間や費用を抑えられる場合もあります。当院では、患者さんの症状や生活スタイルに応じて、手術の必要性を慎重に判断しています。

特殊な副鼻腔炎:好酸球性副鼻腔炎について

近年、治りにくい副鼻腔炎として注目されているのが好酸球性副鼻腔炎です。

これは従来の副鼻腔炎が細菌などの病原菌感染が主な原因であったのに対して、自身の鼻汁中に増加している好酸球(白血球の一種)が主体となって炎症を起こしているものであり、従来の副鼻腔炎に比べて治りにくいことが知られています。

好酸球性副鼻腔炎の特徴

この病気の特徴として、成人発症で両側性の多発性ポリープ、嗅覚障害の合併が多い、粘調な鼻汁が多い、喘息の合併が多い(アスピリン喘息含む)、ステロイドの全身投与が有効、マクロライド系抗生物質の抵抗例が多い、篩骨洞病変が高度の例が多い、難治例が多いなどがあります。

この病気の本質はまだまだ未解明の部分が少なくありませんが、従来の副鼻腔炎と異なりマクロライド系抗生剤はあまり効かないと言われており、診断がつかないまま漫然と治療されたまま悪化している患者さんをよく見かけます。

好酸球性副鼻腔炎の治療

体質的な疾患であり、難治性ではありますが、内視鏡下手術を施行し、術前後にステロイドの内服や局所投与、鼻腔の洗浄を行い、好酸球を含む鼻汁を洗い流す治療が有効とされています。

手術も換気をつけるだけではなく、固有鼻腔と副鼻腔を大きく開放し、病的粘膜をできるだけ除去することが重要です。この疾患の患者さんの多くは気管支喘息を合併しています。そうでない方も喘息の前段階であったり、呼吸機能検査をすると喘息であることが判明する場合が多いとことが知られています。

喘息も好酸球副鼻腔炎も気道の好酸球性炎症という点では同じであり、同じ病態が上気道と下気道で起こっていると解釈されています。その意味では喘息と同様にステロイドなどで炎症をコントロールする事が重要ですが、手術療法が果たす役割は大きく、鼻閉や後鼻漏が少なくなり喘息症状が著明に改善する場合も少なくありません。

当院の副鼻腔炎治療に対するアプローチ

当院では、副鼻腔炎の治療において、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに応じた最適な治療プランをご提案しています。

まず、詳細な診察と検査により、副鼻腔炎の原因と重症度を正確に把握します。その上で、薬物療法、ネブライザー治療、手術療法の中から、最も適切な治療法を選択します。

当院の治療方針

軽症の場合は、薬物療法とネブライザー治療を中心に、外来での通院治療を行います。

症状が改善しない場合や、検査により手術が必要と判断された場合には、患者さんに十分な説明を行った上で、手術療法をご提案します。手術が必要な場合でも、患者さんの負担を最小限に抑えるよう配慮しています。

また、術後の管理も重要です。手術後も定期的な通院により、再発を防ぎ、良好な状態を維持できるようサポートします。

当院の考え

副鼻腔炎は、早期の適切な治療により、多くの場合改善が期待できる病気です。

しかし、放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、治療も困難になります。鼻詰まりや鼻水、頭痛などの症状が長引く場合には、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

当院では、長年の経験と最新の知見に基づき、患者さんに最適な治療を提供することを心がけています。副鼻腔炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1:副鼻腔炎は自然に治りますか?

急性副鼻腔炎の場合は、自然に治ることもあります。しかし、症状が長引く場合や慢性化している場合には、適切な治療が必要です。放置すると症状が悪化し、治療も困難になるため、早めの受診をお勧めします。

Q2:ネブライザー治療はどのくらいの頻度で通院が必要ですか?

症状の程度により異なりますが、一般的には週に2~3回程度の通院が推奨されます。症状の改善に応じて、通院頻度を調整していきます。

Q3:手術は必ず必要ですか?

薬物療法やネブライザー治療で改善しない場合、または検査により手術以外では改善が見込めない場合に手術を検討します。すべての患者さんに手術が必要というわけではありません。

Q4:好酸球性副鼻腔炎は完治しますか?

好酸球性副鼻腔炎は体質的な疾患であり、完治は難しい場合があります。しかし、適切な治療により症状をコントロールし、良好な状態を維持することは可能です。手術療法と術後の管理により、症状の改善が期待できます。

Q5:副鼻腔炎の予防方法はありますか?

風邪をひいたら早めに治療すること、鼻の衛生を保つこと、アレルギー性鼻炎がある場合は適切に治療することが予防につながります。また、喫煙や肥満も副鼻腔炎のリスク要因となるため、生活習慣の改善も重要です。

まとめ

副鼻腔炎による鼻詰まりは、適切な治療により改善が期待できる病気です。

急性と慢性の違いを正確に見極め、症状に応じた治療法を選択することが重要です。薬物療法、ネブライザー治療、手術療法など、幅広い選択肢の中から、患者さん一人ひとりに最適な治療プランをご提案します。

鼻詰まりや鼻水、頭痛などの症状が長引く場合には、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。当院では、長年の経験と最新の知見に基づき、患者さんに最適な治療を提供することを心がけています。

副鼻腔炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。 いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
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レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割

ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。

コレ―ジュクリニックとは

医師紹介

都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。

  • 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
  • 日本めまい平衡医学会 参与
  • 日本臨床医療レーザー協会 会員
  • 帝京大学医学部 元准教授

いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。

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