column コラム
いびき手術の痛みはどれくらい?体験者が語る実態
2025.10.26
目次
1.いびき手術の痛みについて知っておくべきこと
2.いびき手術の種類と痛みの程度
3.実際の手術体験談から見る痛みの実態
4.痛みを軽減するための術前・術後のケア
5.いびき手術の効果と痛みのトレードオフ
6.手術以外のいびき治療法との比較
7.いびき治療に関するよくある質問と回答
8.まとめ:いびき手術の痛みと向き合うために
いびき手術の痛みについて知っておくべきこと
いびきに悩む方にとって、手術による治療は一つの選択肢です。しかし「痛みはどうなのか」「術後の生活はどうなるのか」と不安を感じる方も多いでしょう。
私がこれまで多くのいびき治療を行ってきた経験から、患者さんが最も気にされるのは「痛み」についてだと感じます。
いびき手術の痛みは、実際のところどの程度なのでしょうか。手術の種類や個人差によって異なりますが、多くの患者さんは「風邪をひいて喉が痛い時に似ている」と表現されます。
いびきの主な原因は、のどの奥にある軟口蓋(なんこうがい)や口蓋垂(こうがいすい:いわゆる「のどちんこ」)の振動です。これらの部位が空気の通り道を狭くし、呼吸時に振動して「いびき音」が発生するのです。
当院では、このような症状に対して「いびきのレーザー治療(軟口蓋形成術)」を行っています。これは口蓋垂周辺をレーザーで切除し、気道を広げる治療法です。
いびき手術の種類と痛みの程度
いびき治療には様々な方法がありますが、痛みの程度は治療法によって大きく異なります。当院で行っているレーザー治療を中心に解説します。
レーザーメスによる切除治療
口蓋垂(のどちんこ)周辺をレーザーメスで切除する治療です。従来のメスによる手術と比べて出血や痛みが少ないのが特徴です。
しかし、手術後数日間は「のどが火傷したような状態」となり、痛みを感じることがあります。この痛みは個人差がありますが、多くの患者さんは1週間程度で徐々に和らいでいきます。
ある患者さんは「最初の3日間が一番つらかった。水を飲むだけでも痛みを感じた」と話していました。しかし、適切な痛み止めを服用することで、日常生活に大きな支障なく過ごせたそうです。
レーザーによる引き締め治療
口蓋垂にレーザーを照射して引き締め、気道を広げる治療法もあります。こちらは切除を伴わないため、痛みは比較的軽度です。
施術中はチクチクとした刺激感や熱感を感じることがありますが、激しい痛みはありません。術後も軽い違和感程度で、日常生活にほとんど支障をきたさないケースが多いです。
ただし、効果の持続性や個人の症状によっては、複数回の治療が必要になることもあります。
実際の手術体験談から見る痛みの実態
実際に手術を受けた方々の体験談を見ると、痛みの感じ方には大きな個人差があることがわかります。
ある40代男性の患者さんは「手術直後から2〜3日は痛み止めがないと水も飲めないほど痛かった。しかし1週間後には普通に食事ができるようになった」と話しています。
一方、30代女性の患者さんは「思ったより痛みが少なく、手術翌日から普通に水分摂取ができた。2日目からはおかゆなども食べられた」と比較的軽い痛みだったと報告しています。
臨床経験で見てきた中では、痛みの感じ方は個人差が大きいものの、適切な痛み止めの服用と術後の指示を守ることで、多くの患者さんが耐えられる範囲内であると言えます。
術中よりも術後の痛みに備えることが重要です。当院では術後の痛みに対して適切な鎮痛薬を処方し、患者さんの回復をサポートしています。

痛みを軽減するための術前・術後のケア
いびき手術の痛みを最小限に抑えるためには、適切な術前・術後のケアが欠かせません。当院では以下のようなケアを行っています。
術前の準備と心構え
手術前には、治療内容や術後に起こりうる症状について詳しく説明します。心の準備ができていることで、痛みへの不安や恐怖が軽減されることがあります。
また、手術当日は刺激物の摂取を控え、十分な休息を取ることをお勧めしています。体調が良い状態で手術に臨むことで、術後の回復もスムーズになります。
術中の痛み対策
当院でのレーザー治療では、まずゼリー状の表面麻酔を口に含んでいただき、その後に局所麻酔を行います。これにより、手術中の痛みはほとんど感じません。
ただし、レーザー照射時に焦げ臭いにおいを感じることがあります。これは痛みではなく、レーザーの特性によるものですので、ご安心ください。
術後の痛みケア
手術後は痛み止めの服用が重要です。当院では適切な鎮痛薬を処方し、服用のタイミングや方法についても詳しく説明しています。
また、冷たい飲み物や食べ物を摂ることで、喉の痛みを和らげる効果があります。アイスクリームやシャーベットなどの冷たく柔らかい食べ物がおすすめです。
さらに、術後は喉に負担をかけないよう、大声を出したり、喫煙・飲酒を控えることも大切です。これらの注意点を守ることで、痛みの軽減と早期回復につながります。
いびき手術の効果と痛みのトレードオフ
いびき手術を検討する際に重要なのは、「痛み」と「効果」のバランスです。一時的な痛みを経験しても、その後の生活の質が大きく向上するなら、価値ある選択と言えるでしょう。
当院でのいびき治療の満足度は94%(調査人数1206名、対象期間2020年10月~2023年10月)と高い評価をいただいています。多くの患者さんが「術後の痛みはあったが、いびきが改善して家族との関係が良くなった」と喜びの声を寄せています。
ある50代男性は「妻から毎晩いびきがうるさいと言われ続け、別室で寝ることになっていた。手術後は一時的に痛みがあったが、いびきが大幅に改善し、今では同じ部屋で眠れるようになった」と話しています。
このような生活の質の向上を考えると、一時的な痛みは受け入れられるものだと多くの患者さんが感じているようです。
手術以外のいびき治療法との比較
いびきの治療法は手術だけではありません。他の治療法と比較して、痛みや効果、メリット・デメリットを理解することが大切です。
CPAP治療
睡眠時無呼吸症候群の標準治療であるCPAP(シーパップ)は、マスクを装着して圧力のかかった空気を送り込む治療法です。痛みはまったくありませんが、マスク装着の違和感や機器の音などが気になる方もいます。
また、毎晩装着する必要があり、旅行時や停電時には使用できないというデメリットもあります。
マウスピース治療
睡眠時に専用のマウスピースを装着し、下顎を前方に出すことで気道を確保する治療法です。痛みはほとんどありませんが、歯や顎に違和感や負担がかかることがあります。
効果はCPAPほど高くありませんが、軽度から中等度のいびきや睡眠時無呼吸には有効なケースが多いです。
これらの非手術的治療と比較すると、レーザー手術は一時的な痛みはあるものの、継続的な装着物が不要で、一度の治療で長期的な効果が期待できるというメリットがあります。

いびき治療に関するよくある質問と回答
Q1: いびきの手術はどのくらいの時間がかかりますか?
レーザーによる切除手術は約10分程度で完了します。ただし、術前の準備や麻酔の時間を含めると、クリニックでの滞在時間は1〜2時間程度になります。
Q2: 術後はどのくらいで普通の食事ができるようになりますか?
個人差はありますが、多くの患者さんは3〜7日程度で徐々に普通の食事に戻れるようになります。最初の2〜3日は柔らかい食べ物や冷たい食べ物がおすすめです。
Q3: 手術の効果はどのくらい続きますか?
適切な症例選択と手術が行われた場合、多くの患者さんで長期的な効果が得られます。ただし、体重増加やアルコール摂取、加齢などの要因により、いびきが再発することもあります。
Q4: 手術は保険適用されますか?
当院でのいびきのレーザー治療は健康保険を適用した保険診療が認められています。適用をご希望の方は必ず各種健康保険証をご持参ください。
Q5: 手術後の痛みはどのくらい続きますか?
個人差がありますが、多くの患者さんは1〜2週間程度で痛みが徐々に軽減していきます。最初の3〜5日間が最も痛みを感じる期間で、その後は徐々に和らいでいきます。
まとめ:いびき手術の痛みと向き合うために
いびき手術の痛みは、多くの患者さんにとって「一時的なもの」であり、適切な痛み止めと術後ケアによって管理可能なものです。
手術を検討されている方は、痛みだけでなく、治療効果や生活の質の向上も含めて総合的に判断することが大切です。
いびきでお悩みの方は、まずは専門医への相談をお勧めします。
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠の質や健康に関わる重要な問題です。適切な治療によって、あなたとパートナーの快適な睡眠環境を取り戻しましょう。
詳しい情報や無料カウンセリングについては、コレージュクリニックまでお気軽にお問い合わせください。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。