column コラム
鼻炎症状を改善する6つのセルフケア|薬に頼らない対策法
2026.02.09
鼻炎の症状に悩まされていませんか?
朝起きたとき、鼻がムズムズしてくしゃみが止まらない。
日中も鼻水が出続けて、ティッシュが手放せない。夜になると鼻が詰まって、口呼吸で眠りが浅くなる。こうした鼻炎の症状は、日常生活の質を大きく低下させます。
アレルギー性鼻炎は、鼻から吸い込んだほこりやスギ花粉などの抗原に対して体の防御反応が過剰に働き、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を引き起こす体質的な病気です。基本的には薬で治るものではなく、自然に治る率は10%前後とされています。
しかし、薬物療法と併用できるセルフケアを実践することで、症状を和らげることは十分に可能です。今回は、日常生活で取り組める6つの対策法をご紹介します。
1.鼻炎症状を改善するセルフケア①:鼻洗浄で鼻腔内を清潔に保つ
2.鼻炎症状を改善するセルフケア②:室内の加湿で粘膜を保護する
3.鼻炎症状を改善するセルフケア③:マスクの効果的な使用
4.鼻炎症状を改善するセルフケア④:抗原の除去と環境整備
5.鼻炎症状を改善するセルフケア⑤:入浴で鼻の血流を改善する
6.鼻炎症状を改善するセルフケア⑥:鼻のツボ押しで症状緩和
7.鼻炎症状を改善するセルフケアと薬物療法の併用が効果的
8.まとめ:日々のケアで鼻炎症状を和らげる
鼻炎症状を改善するセルフケア①:鼻洗浄で鼻腔内を清潔に保つ
鼻洗浄は、副鼻腔炎や鼻炎の症状を緩和するための非常に効果的な方法です。
普通のうがいが喉を洗浄するのに対し、鼻うがいは鼻の中を洗浄します。これにより、鼻に付着した汚れや膿、ウイルス、細菌を直接洗い流すことができます。鼻の中を清潔に保つことで、アレルギー性鼻炎の症状も改善されることがあります。アレルギー性鼻炎があると、鼻の粘膜が腫れて通りが悪くなり、膿が外に出にくくなります。鼻洗浄をすることで、アレルギーの原因物質を洗い流し、症状を軽減させることができるのです。
鼻洗浄の具体的な方法
鼻洗浄をするには、まず鼻うがい器を用意します。市販の鼻うがい液を使うのが手軽でおすすめですが、自宅で作ることもできます。水道水を一度煮沸して冷ましたもの250mlに対して、塩2gを溶かして作ります。この液を鼻うがい器に入れて使用します。
具体的な方法は、鼻うがい液を片方の鼻に当てて、容器を押しながら「あー」と声を出して水を流します。顔は上げずに、引いたまま行います。反対側も同様に行い、片側2回ずつ、合計4回行います。朝起きた時や夕方外から帰ってきた時に行うと効果的です。
鼻洗浄の注意点
鼻洗浄をする際にはいくつかの注意点があります。
真水を使わないことです。真水で鼻洗浄をすると非常に痛く、鼻の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。必ず塩を溶かした生理食塩水を使用してください。また、鼻洗浄は1日に2~3回が適量です。やりすぎると逆に鼻の粘膜を傷つけてしまうことがあります。
さらに、鼻洗浄を行う際には、唾を飲み込んだり、勢いよく水を流したり、上を向いた状態で行ったりしないようにしてください。これらの行為は耳と鼻をつなぐ管に水が入って中耳炎の原因になることがあります。特に中耳炎を患っている人や子供は、鼻洗浄を控えた方が良いでしょう。
鼻炎症状を改善するセルフケア②:室内の加湿で粘膜を保護する
室内の湿度を約50%、温度を20~25℃に保つことは、鼻炎症状の改善に重要です。
乾燥した環境では、鼻の粘膜が乾燥して防御機能が低下し、アレルギー反応が起こりやすくなります。特に冬場の暖房使用時や、夏場のエアコン使用時には、室内が乾燥しやすいため注意が必要です。加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干したりすることで、適切な湿度を保つことができます。
鼻を温めることで、鼻の血流を改善し、鼻詰まりを緩和することもできます。蒸しタオルを使うと効果がアップします。お湯につけて軽く絞ったタオルを鼻にかけて、鼻から蒸気を吸い込むことで、加湿と保温の効果がさらに高まります。これにより、鼻の通りが一層良くなります。
鼻炎症状を改善するセルフケア③:マスクの効果的な使用
マスクは、花粉やハウスダストなどのアレルゲンから鼻を守る効果的な手段です。
外出時にマスクを着用することで、花粉の吸入を減らすことができます。花粉情報をチェックして飛散が多い日は外出を控えるとともに、外出時は必ずマスクやメガネ、帽子、スカーフなどで肌を保護することが推奨されます。
室内でも、掃除の際にマスクを着用することで、ホコリやダニの吸入を防ぐことができます。週に1~2回は1回20秒/mの時間をかけて室内を掃除することが推奨されており、その際にマスクを着用することで、掃除中のアレルゲン吸入を最小限に抑えることができます。
鼻炎症状を改善するセルフケア④:抗原の除去と環境整備
治療というより予防ですが、症状を抑えるのには大事なことです。
ダニ・家のほこり対策
週に1~2回は1回20秒/mの時間をかけて室内を掃除することが推奨されます。室内の湿度を約50%、温度を20~25℃に保つことも重要です。織物のソファー、じゅうたん、畳はできるだけ避け、ベッドのマット、ふとん、枕に防ダニカバーをかけることで、ダニの繁殖を抑えることができます。
濡れ雑巾で拭き掃除を行い、花粉の飛散を防ぐことも効果的です。ホコリが舞っていない朝一番に拭き掃除をしてから掃除機をかけると、より効果的に汚れを除去できます。
花粉症対策
花粉が舞う時期は洗濯物を外干ししないことが推奨されます。風の強い日や飛散量が多い日は窓や戸を閉めることも重要です。外出時に着る服の素材は毛織物ではなく、ツルツルした生地のものを選ぶと、花粉が付着しにくくなります。
帰宅時は服や髪をよく払ってから入り、家の中に花粉を入れないようにします。洗顔やうがい、鼻うがいなどして花粉を洗い流すことも効果的です。
鼻炎症状を改善するセルフケア⑤:入浴で鼻の血流を改善する
入浴は、鼻炎症状の緩和に非常に効果的な方法です。
入浴中に鼻を温めることで、鼻の血流を改善し、鼻詰まりを緩和することができます。具体的には、40度から42度ぐらいのお湯に15分浸かるだけで効果があります。入浴によって鼻の血流が良くなると、鼻の奥がムズムズしてくることがあります。これは血流が改善されている証拠です。
また、入浴中に鼻から息を吸って口から吐くことで、浴室に充満した蒸気を鼻から吸い込むことができ、鼻の加湿効果も得られます。これにより、鼻の中の汚れや膿を動かし、鼻の通りが良くなります。さらに、蒸しタオルを使うと効果がアップします。お湯につけて軽く絞ったタオルを鼻にかけて、鼻から蒸気を吸い込むことで、加湿と保温の効果がさらに高まります。
入浴後のケア
点鼻薬を使用している方は入浴後に使用することが効果的です。
点鼻薬は鼻が詰まっているときに使用しても、薬が奥まで届かないため、効果が薄れます。しかし、入浴で鼻の通りが良くなった後に点鼻薬を使用すると、薬が奥まで届きやすくなり、効果が高まります。
鼻炎症状を改善するセルフケア⑥:鼻のツボ押しで症状緩和
東洋医学では、鼻の症状に効果のあるツボがいくつかあります。
これらのツボを押すことで、鼻炎の症状を緩和することができます。まず、「迎香(げいこう)」というツボです。鼻の両側に位置し、鼻水の分泌を抑えて通りを良くする効果があります。また、嗅覚の不調を和らげる効果もあると言われています。次に「鼻通(びつう)」というツボです。こちらも鼻の両側に位置し、同様の効果があります。
手にあるツボも有効です。「合谷(ごうこく)」は親指と人差し指の間の谷間にあり、鼻の症状の他に目のかゆみにも効果があります。「太淵(たいえん)」は手首の親指側にあり、鼻の症状の他に咳や喉の痛みに効果があります。「少商(しょうしょう)」は親指の爪の根元外側にあり、鼻の症状の他に喉の痛みを和らげる効果があります。
これらのツボを1日に数回、優しく押すことで、鼻炎症状の緩和が期待できます。ただし、強く押しすぎると逆効果になることがあるため、心地よい程度の圧力で行うことが重要です。
鼻炎症状を改善するセルフケアと薬物療法の併用が効果的
ここまでご紹介した6つのセルフケアは、日常生活で実践できる対策法です。
しかし、アレルギー性鼻炎は体質的な疾患であり、セルフケアだけで完全に症状をコントロールすることは難しい場合があります。症状が強い場合や、日常生活に支障をきたす場合には、医療機関を受診して適切な薬物療法を受けることが重要です。
抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などの薬物療法と、今回ご紹介したセルフケアを併用することで、より効果的に症状を改善することができます。また、レーザー手術などの手術療法も選択肢の一つです。下甲介粘膜焼灼術(レーザー手術・アルゴンガス凝固術)の有効性は約80%とされており、5割強は7年以上効果が持続します。手術は局所表面麻酔で約15分程度、日帰りで安全に実施可能です。
手術を決心される場合には、専門性の高い医療機関を受診して、それぞれのメリット、デメリットを良く検討されることをお勧めします。
まとめ:日々のケアで鼻炎症状を和らげる
鼻炎症状を改善するための6つのセルフケアをご紹介しました。
鼻洗浄、室内の加湿、マスクの使用、抗原の除去、入浴、ツボ押しなど、日常生活で実践できる対策法は数多くあります。これらのセルフケアを継続的に行うことで、症状を和らげることができます。
ただし、アレルギー性鼻炎は体質的な病気であり、自然に治る率は10%前後とされています。セルフケアだけでは症状をコントロールできない場合には、医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。薬物療法や手術療法と併用することで、より効果的な症状改善が期待できます。
鼻炎症状でお悩みの方は、まずは今回ご紹介したセルフケアを試してみてください。そして、症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす場合には、専門性の高い医療機関を受診することをお勧めします。
コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京では、アレルギー性鼻炎の診断から治療まで、一人ひとりの症状に合わせた最適な治療法をご提案しています。鼻炎症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。