column コラム
いびき対策
2025.08.25
眠りの質を落とす「いびき」を放置せず、できることからはじめましょう
「疲れが取れない」「日中に眠くなる」「家族にいびきを指摘される」そんなお悩みはありませんか?
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠の質を大きく下げ、体の回復を妨げる原因になります。
場合によっては、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前段階であることも。
生活習慣を少し見直すだけで改善が見込めるケースも多いため、まずはできることから始めてみましょう。
【STEP 1】枕の高さを見直すだけでも呼吸がラクに
枕の高さは、いびきに大きく関係しています。特に高さが7cm以上ある枕は、首を不自然に曲げてしまい、気道を圧迫しやすくなります。
対策ポイント
- 高さが調整できる枕を選ぶ
- あお向け寝でも首が詰まらない位置を探す
- 試しながらご自身の身体に合った高さを見つける
【STEP 2】口呼吸から鼻呼吸へ切り替える
寝ているときに口呼吸になっていると、舌が喉の奥に沈み込み、気道をふさいでしまうことがあります。さらに、空気中の細菌やウイルスを直接吸い込むため、風邪やアレルギー症状にもつながりやすくなります。
改善のための工夫
- 日中から鼻呼吸を意識する
- 舌・口の体操を習慣に(舌を上あごに押し当てる、口をすぼめて吐く練習など)
口まわりの筋肉を鍛えることで、舌の位置が安定し、自然と鼻呼吸に移行しやすくなります。
【STEP 3】適正体重の維持が気道を広げる
肥満によって首まわりや喉のまわりに脂肪がつくと、気道が圧迫されやすくなります。無理なダイエットではなく、医師のアドバイスを受けながらの減量がおすすめです。
ポイント
- 食生活の見直し
- 軽い運動からのスタート
- 睡眠中の呼吸改善を目的とした体重管理を意識する
【STEP 4】飲酒を控えるだけで睡眠の質が変わる
アルコールは筋肉をゆるめる作用があるため、喉や舌の筋肉も弛緩し、気道をふさぎやすくなります。
とくに寝る前の飲酒は、いびきを強める原因となるため注意が必要です。
おすすめの習慣
- 就寝前2〜3時間は飲まない
- 飲酒は週末だけにするなど、頻度をコントロール
【STEP 5】生活改善で変わらない場合は、医療での治療も視野に
セルフケアだけでは改善が難しいケースでは、医療による根本的な治療が必要です。
当院では、健康保険が適用されるレーザー治療を導入しています。
レーザー治療の特徴
- のどちんこ(口蓋垂)やその周辺をレーザーで切除し、気道を確保
- 出血や痛みが少なく、日帰りで受けられる
- 局所麻酔で体への負担が軽い
- 健康保険(3割負担)適用
「手術」と聞くと不安に感じるかもしれませんが、従来のメスを使う手術と比べて、はるかに負担の少ない方法です。
まずはお気軽にご相談ください。
コレージュクリニックとは
当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)
耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。