column コラム

病院で治す「いびき」治療

2025.08.25

そのいびき、放置していませんか? 実は体からの重要なサインかもしれません

いびきは体からのSOS信号です

いびきとは、睡眠中に気道が狭くなることで、呼吸のたびに粘膜が振動して音が鳴る現象です。
「疲れているだけ」「お酒を飲んだから」などと軽視されがちですが、慢性的ないびきは、放っておくと健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、次のような疾患が隠れていることもあります

  • 上気道抵抗症候群(気道が狭くなり、日中に強い眠気が出る)
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)(呼吸が断続的に止まり、酸素不足を引き起こす)

こうした状態が続くと、高血圧や心疾患、脳卒中などのリスクも高まるとされており、早期の対処が大切です。

いびきの種類と原因

いびきには主に3つのタイプがあります。原因や重症度が異なるため、それぞれに合った対応が必要です。

種類 主な特徴 一般的な原因
単純いびき症 一過性で軽度 疲労、ストレス、飲酒、風邪・花粉症による鼻づまりなど
上気道抵抗症候群 日中の強い眠気を伴う 気道の弱い部分が狭くなる状態
睡眠時無呼吸症候群(SAS) 呼吸停止による酸素低下が繰り返される 気道閉塞による呼吸障害

単純いびきは生活改善で軽減することもありますが、慢性化したり、日中に強い眠気が出るような場合は医師の診断が必要です。

いびき外来とは?

「いびき外来」を設けている医療機関は全国的にみても多くはありませんが、内科・耳鼻科・呼吸器科などで専門的ないびき診療を行っている施設が増えています。
当院もそのひとつであり、単純いびき症から上気道抵抗症候群、睡眠時無呼吸症候群(SAS)まで、幅広く対応しています。

いびき外来では、睡眠中に気道が狭くなり空気が通りにくくなっている状態を明らかにし、気道を広げて呼吸を改善する治療を行います。

主な治療法

症状の重さや体質に合わせて、以下のような治療をご提案します。

  • マウスピース治療(保険診療対応の場合あり)
  • 鼻マスク(CPAP)療法
  • 薬による治療
  • レーザー治療・外科手術

マウスピースや薬は始めやすく、比較的費用も抑えられますが、根本的な解決が難しい場合もあります。
特に、気道の閉塞が原因で起こる睡眠時無呼吸には、レーザーによる処置が有効とされています。

保険適用についてご注意を

いびきや無呼吸に対する手術やレーザー治療は、自由診療(保険適用外)で行っている医療機関が多いのが現状です。
そのため、治療をご検討される際は、事前に保険適用の有無を確認しておくことが大切です。

※当院では、健康保険が適用されるレーザー治療を実施しています(原則3割負担)。

当院のレーザー治療について

当院では、いびきの根本的な原因となる気道の狭窄部(口蓋垂や軟口蓋)を、レーザーでピンポイントに処置し、空気の通りを改善する治療を行っています。

この治療法には次のような特長があります。

  • 健康保険適用(原則3割負担)
  • 治療時間は約10〜15分と短時間
  • 局所麻酔によって痛み・出血を軽減
  • 日帰りでの治療が可能
  • 睡眠時無呼吸の改善も期待できる

※治療効果や経過には個人差があります。

ご自身とご家族のために、早めの受診を

いびきは自分では気づきにくく、ご家族からの指摘で初めて異変に気づくケースも多くあります。 また、本人の健康だけでなく、周囲の睡眠環境にも影響を与える問題です。

「最近いびきが大きい」「朝起きても疲れが取れない」「昼間に眠くなる」
そんな症状がある方は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。 いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。

レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割

ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。

コレ―ジュクリニックとは

医師紹介

都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。

  • 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
  • 日本めまい平衡医学会 参与
  • 日本臨床医療レーザー協会 会員
  • 帝京大学医学部 元准教授

いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。

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