column コラム

いびきを抑える枕

2025.08.25

枕の見直しから始める無理のないセルフケア

「最近いびきがひどくなった」「家族に指摘されて気になっている」
そんなとき、まず見直してほしいのが「枕」です。

いびきの原因は人によってさまざまですが、枕の高さや形が合っていないことが影響しているケースは意外と多くあります。合わない枕を使い続けると、気道が狭まり、呼吸がしにくくなることで、いびきが悪化することもあるくらいです。

枕は毎日使うものだからこそ、体に合ったものを選ぶことが大切です。

なぜ枕がいびきに関係するの?

睡眠中にいびきが起こるのは、空気の通り道である「気道」が狭くなることが主な原因です。
枕の高さが合っていないと、次のようなことが起こりやすくなります。

  • 高すぎる枕:あごが引けて喉が圧迫され、気道が狭くなる
  • 低すぎる枕:頭の位置が下がり口呼吸になりやすく、舌が落ち込みやすい

どちらも、いびきの原因となる「気道の狭まり」を引き起こします。

自分に合った枕の選び方

5つのチェックポイント

以下のような条件を満たしているかを確認し、今お使いの枕を見直してみましょう。

  • 首から背中にかけて、なだらかに布団に沿っている
  • 首に圧迫感がなく、自然な角度で頭を支えてくれる
  • 寝返りを打っても頭がずれにくいフィット感がある
  • 腰や背中に無理な反りがなく、全身のバランスが整っている
  • 素材の硬さや通気性が自分に合っていて快適に眠れる

こうした条件を満たす枕は、気道が確保されやすく呼吸がスムーズになるため、いびきの軽減につながることがあります。

市販の枕とオーダーメイド枕の違い

どんなに評判の良い枕でも、万人にぴったりとは限りません。自分の体型や寝姿勢に合うかどうかが大切です。
選択肢としては以下のような種類があります。

種類 特徴 向いている方
市販の一般枕 手軽に購入可能。高さ・形状は固定 コストを抑えたい方/まず試したい方
高さ調整型の枕 中材を取り外し調整できるタイプ 自分で調整して最適化したい方
オーダーメイド枕 専門店で計測し、体型や寝姿勢に合わせて作成 慢性的ないびきがある方/より精密に合わせたい方

それでもいびきが改善しない場合は?

枕を変えてもいびきが軽減しない場合、次のような要因が考えられます。

  • 鼻炎・副鼻腔炎などによる鼻づまり
  • 肥満により気道周囲の脂肪が増えている
  • 下あごの位置や形による気道の狭さ
  • 舌根の沈下や喉の緩み
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

このような場合は、いびきを「症状のひとつ」と捉えて、医療機関での検査や診断を受けることが大切です。

コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。 いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。

レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割

ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。

コレ―ジュクリニックとは

医師紹介

都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。

  • 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
  • 日本めまい平衡医学会 参与
  • 日本臨床医療レーザー協会 会員
  • 帝京大学医学部 元准教授

いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。

ドクター紹介