column コラム
蓄膿症でやってはいけない6つの行動|悪化を防ぐ正しい対処法
2026.03.12
1.蓄膿症でやってはいけない!蓄膿症を悪化させる可能性のある6つのNG行動
2.喫煙と飲酒は症状悪化の大きな原因
3.鼻水をすする習慣は今すぐやめるべき
4.強すぎる鼻かみと鼻ほじりの危険性
5.市販薬の多用が招く薬剤性鼻炎
6.症状を放置する危険性
7.日常生活でできる正しいセルフケア
8.よくある質問と回答
9.まとめ
蓄膿症でやってはいけない!蓄膿症を悪化させる可能性のある6つのNG行動
鼻づまりが長引いている。
黄色い鼻水が止まらない。そんな症状が続いているなら、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の可能性があります。副鼻腔は顔の奥にある4対の空洞で、通常は空気で満たされています。風邪などで炎症が起こり、症状が約3か月以上続く場合に慢性副鼻腔炎と定義されます。
適切な治療を受ければ改善する病気ですが、日常生活での間違った対処が症状を悪化させることも少なくありません。今回は、蓄膿症のときに絶対に避けるべき6つの行動と、正しい対処法を詳しく解説します。
喫煙と飲酒は症状悪化の大きな原因
タバコとお酒。
蓄膿症のときは、この2つを控えることが肝要です。喫煙による有害物質は鼻粘膜を直接刺激し、防御機能である線毛運動を低下させます。その結果、副鼻腔の炎症がさらに悪化しやすくなるのです。
実際、喫煙者では鼻粘膜が弱って細菌感染を起こしやすく、副鼻腔炎にかかりやすい傾向があります。電子タバコや受動喫煙でも同様に粘膜に炎症を起こし、治りにくくしてしまいます。
飲酒が鼻づまりを悪化させる理由
アルコールには血管拡張作用があります。鼻粘膜の血管が拡がると腫れが強くなって、鼻づまりが悪化する恐れがあるのです。また飲酒は睡眠の質を下げたり免疫機能を低下させたりするため、感染の治癒を遅らせる可能性も指摘されています。
特に夜にお酒を飲むと、寝ている間の鼻づまりがひどくなります。十分な休息がとれなくなり、回復が遅れてしまうのです。
禁煙・禁酒で得られる効果
蓄膿症と闘う期間は禁煙・禁酒を心がけてください。タバコを止めることで鼻粘膜の回復が促され、治療効果も高まります。お酒は症状が落ち着くまで控え、水分補給は水やぬるま湯、ノンカフェインの温かい飲み物で行うと良いでしょう。
どうしても禁煙が難しい場合は医師に相談し、禁煙補助薬の利用を検討してください。喫煙・飲酒を控えることで副鼻腔炎の治りが早くなり、再発予防にもつながります。
鼻水をすする習慣は今すぐやめるべき
鼻水を「すすって」喉に流し込む。
この癖がある方は、蓄膿症のとき絶対にやめましょう。鼻水には細菌やウイルス、ホコリなどの異物が含まれており、本来は体外に排出すべきものです。ところが鼻をすすると、これらの病原体を含む分泌物が体内に逆流してしまいます。
その結果、中耳や副鼻腔にまで入り込み、症状の改善を妨げたり中耳炎を引き起こす原因となります。
正しい鼻のかみ方
鼻水はすすらず、こまめにかんで外に出しましょう。かむ際は強く勢いよくではなく、片方の鼻孔ずつゆっくり優しくかむのがポイントです。両鼻を一度に力任せにかむと、鼻腔内の圧力で膿が耳管に押し込まれ、中耳炎を起こす恐れがあります。
優しく頻繁にかんで鼻腔内を清潔に保つことで、副鼻腔に膿が溜まりにくくなり症状改善につながります。
鼻うがいの効果的な方法
鼻づまりが強くてうまくかめない時や、花粉・ハウスダストで鼻水が多い時には鼻うがいもおすすめです。生理食塩水(0.9%食塩水)を人肌程度の温度(約40℃前後)に温めてから、鼻腔内にゆっくり流し込みます。
生理食塩水で洗えば鼻粘膜への刺激が少なく、粘りついた鼻汁や付着した花粉・ホコリを洗い流せます。正しい方法で行えばツーンとした痛みもほとんどなく、薬を使わないので副作用の心配もありません。ドラッグストアで市販されている鼻洗浄キットを利用すると手軽に鼻うがいができます。
強すぎる鼻かみと鼻ほじりの危険性
鼻をすすらずきちんとかむのは大切です。
しかし強すぎる鼻かみは、鼻内圧を急激に高めて粘液が副鼻腔へ逆流する恐れがあります。過度な鼻かみは中耳へ圧がかかり、中耳炎になることがあるため注意が必要です。
鼻粘膜を傷つけるリスク
鼻づまりがひどいときに無理に鼻をかもうとして、鼻の粘膜を傷つけてしまうケースもあります。かみすぎによる粘膜ダメージで出血したり、炎症が悪化すると治癒が遅れる原因になります。
さらに「鼻ほじり」も絶対にやめるべき習慣です。指や綿棒で鼻の中を頻繁にいじると、鼻の入り口の皮膚や粘膜に傷が付きます。その傷から細菌が侵入すると鼻前庭炎や鼻の中の毛穴の感染、さらには鼻出血を引き起こすことがあります。
優しいケアの方法
鼻は優しくかみ、ほじらないことが原則です。どうしても鼻の中にかさぶたや固まった鼻くそがあって気になる場合は、無理に指を入れずに蒸しタオルで鼻を外側から温めてみてください。鼻腔内が湿って柔らかくなるとかみ出しやすくなります。
市販の鼻腔用ワセリンを少量、綿棒で鼻の入口付近に塗ると粘膜の乾燥を防げます。蓄膿症で鼻の中が荒れている時期は、刺激の強いメントールやアルコール成分の入った鼻ケア用品はしみる場合があるため避けた方が無難です。
市販薬の多用が招く薬剤性鼻炎
鼻づまり解消のための市販薬。
使いすぎには注意が必要です。ドラッグストアで買える点鼻薬には血管収縮剤が含まれているものが多く、一時的に鼻粘膜の血管を収縮させて腫れを抑える作用があります。確かに使用直後はスッと鼻が通り症状が楽になりますが、これはあくまで対症療法です。
リバウンド現象の恐怖
長期間・頻繁に使い続けるうちに、薬が切れたときにリバウンドで鼻づまりが悪化するようになってしまいます。このように市販点鼻薬の乱用で起こる慢性的な鼻づまりを「薬剤性鼻炎」と呼び、蓄膿症をかえって悪化させる原因となります。
また「風邪薬」を長期間飲み続けることも避けましょう。市販の総合感冒薬にも鼻水・鼻づまりを和らげる成分が含まれており、一時的に症状は緩和します。しかし根本的な副鼻腔の膿や炎症自体を治す効果はなく、風邪薬には不要な成分も多く含まれるため長期連用すれば副作用のリスクがあります。
適切な薬の使い方
どうしても鼻が詰まって寝られない夜などは、点鼻薬を使っても構いませんが「1日の使用回数・期間の目安」を必ず守ってください。通常、血管収縮剤点鼻薬は1日3-4回まで、連続使用は10日程度までが推奨目安です。
長引く蓄膿症には、病院で原因に応じた治療を受ける必要があります。例えば細菌感染が続いている場合は抗生物質の適切な投与、アレルギーが関与する場合はステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬の処方、ポリープが大きく鼻を塞いでいる場合は手術も検討されます。
症状を放置する危険性
「たかが鼻づまり」と放置するのは非常に危険です。
蓄膿症は早めに適切な治療をしないと、症状が長引くだけでなく様々な合併症を引き起こす恐れがあります。例えば副鼻腔の炎症が周囲に広がれば、中耳炎を併発して耳が聞こえにくくなったり、眼球の周囲に感染が及んで視力障害や失明のリスクもあります。
重篤な合併症のリスク
さらに稀なケースですが、副鼻腔で増殖した細菌が脳にまで達すると脳膜炎や脳膿瘍を起こし、命に関わる事態にもなりかねません。深刻な合併症はまれですが、「鼻だけの病気」と油断してはいけないということです。
また蓄膿症の原因によっては、放置しても自然には絶対によくならないケースもあります。例えば上顎洞炎の原因が歯の根元の感染の場合、虫歯治療や抜歯など歯科的処置をしない限り副鼻腔炎は治りません。鼻の治療と並行して原因歯の治療が必要です。これを怠ると何度も副鼻腔炎を再発してしまいます。
早期受診の重要性
「風邪が長引いているだけ」と思っていたら実は副鼻腔炎だった、ということは少なくありません。鼻づまりや膿の混じる鼻水が10日以上続く、あるいは嗅覚低下や頬の痛みがある場合は早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳鼻科では鼻内視鏡検査やレントゲン/CT検査で副鼻腔の中まで詳しく調べてくれます。蓄膿症と診断されれば、症状に応じて抗生剤や粘膜炎症を抑える処置など適切な治療を受けることで症状は改善します。
日常生活でできる正しいセルフケア
蓄膿症の症状を悪化させないために、日常生活でできることがあります。
鼻腔の清潔保持
常に鼻をかんで副鼻腔の膿を排出する習慣をつけましょう。朝晩や外出後には生理食塩水で鼻うがいを行うと、鼻腔内の雑菌やアレルゲンを洗い流せて効果的です。鼻をかむときは片方ずつ優しく行い、決して強くかみすぎないこと。
適切な室内環境の整備
エアコンの風やほこりっぽい環境は鼻粘膜を刺激します。空気清浄機の使用やこまめな掃除でハウスダストを減らし、加湿器などで室内の適度な湿度(50〜60%程度)を保ちましょう。乾燥した空気は粘膜を乾かして膿が粘稠になり、排出しにくくなります。
アレルギー対策の徹底
アレルギー性鼻炎や花粉症を持っている方は、その治療も並行して行いましょう。アレルギーがコントロールされると副鼻腔炎も改善しやすくなります。花粉シーズンはマスクやメガネを着用し、帰宅時の洗顔・鼻うがいでアレルゲンを速やかに洗い流してください。
よくある質問と回答
Q1: 蓄膿症は自然に治りますか?
急性副鼻腔炎の場合は自然に治ることもありますが、症状が3か月以上続く慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は自然治癒がほとんど期待できません。適切な治療が必要です。
Q2: 市販薬だけで治せますか?
市販薬は一時的な症状緩和には有効ですが、根本的な治療にはなりません。症状が10日以上続く場合は耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
Q3: 鼻うがいは毎日やっても大丈夫ですか?
生理食塩水を使った正しい方法であれば、毎日行っても問題ありません。むしろ症状改善と再発予防に効果的です。
Q4: 運動はしても良いですか?
軽い運動は血行を良くして回復を促しますが、激しい運動は避けましょう。症状が悪化している時期は十分な休息を優先してください。
Q5: 完治までどれくらいかかりますか?
急性の場合は1〜2週間程度、慢性の場合は3〜6か月以上の治療期間が必要になることが一般的です。症状の重症度や個人差によって異なります。
まとめ:早期対処が回復への近道
蓄膿症を悪化させないためには、喫煙・飲酒を控え、鼻水をすすらず優しくかむこと、市販薬の多用を避け、症状を放置しないことが重要です。
日常生活では鼻うがいや室内の加湿、アレルギー対策などのセルフケアを心がけましょう。症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが回復への近道です。適切な治療と正しいセルフケアで、蓄膿症は必ず改善できます。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。
