column コラム

いびき治療におすすめのクリニック選び方と特徴

2025.10.26

目次

1.いびき治療が必要なケースとクリニック選びの重要性
2.いびき治療でクリニックを選ぶ3つの重要ポイント
3.いびき治療の主な方法と特徴
4.いびき治療におすすめのクリニック選びのチェックポイント
5.いびき治療に関するよくある質問
6.まとめ:あなたに合ったいびき治療クリニックを見つけるために

いびき治療が必要なケースとクリニック選びの重要性

いびきは単なる音の問題ではなく、健康状態を映し出す重要なサインかもしれません。睡眠中に上気道が何らかの原因で狭くなっている証拠であり、正常な状態とは言えないのです。

パートナーからいびきを指摘されることが増えた、旅行先での宿泊を躊躇するようになった、日中の眠気や疲労感が取れない・・・。このような症状に心当たりはありませんか?

いびきが重症化すると、睡眠時無呼吸症候群へと進行するリスクもあります。これは単なる「うるさいだけの問題」ではなく、心臓病や高血圧などの深刻な健康問題につながる可能性もある状態です。適切な診断と治療が必要なのはこのためなのです。

では、いびき治療のためのクリニック選びで失敗しないためには、どのような点に注意すべきでしょうか?

いびきが教えてくれる健康リスク

いびきは寝ているときに上気道(鼻から気管の入り口までの空気の通り道)が狭くなっていることを示すサインです。単に「うるさい」だけでなく、体に十分な酸素が行き渡っていない可能性があるのです。

特に注意が必要なのは、いびきと一緒に「無呼吸」が起きているケースです。これは睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ばれる状態で、睡眠中に呼吸が何度も止まる深刻な症状です。

SASは放置すると、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などのリスクを高めることが医学的に証明されています。また、日中の強い眠気によって事故のリスクも高まります。

私がこれまで多くのいびき治療を行ってきた経験から言えることは、早期の適切な治療が何よりも重要だということです。では、どのようにクリニックを選べばよいのでしょうか?

いびき治療でクリニックを選ぶ3つの重要ポイント

いびき治療のクリニック選びは、あなたの健康と睡眠の質を大きく左右します。適切なクリニックを選ぶための3つの重要なポイントをご紹介します。

ポイント1:専門性と実績を確認する

いびき治療を専門的に行っているクリニックを選ぶことが重要です。特に「いびき外来」や「睡眠時無呼吸症候群」の治療に特化したクリニックであれば、専門的な知識と経験を持った医師による適切な診断と治療が期待できます。

クリニックのウェブサイトで症例数や治療実績、医師の専門資格などを確認しましょう。例えば、当院では28,000件以上のいびき治療実績があり、満足度は94%(調査人数1206名、対象期間2020年10月~2023年10月)となっています。

また、耳鼻咽喉科を専門とする医師がいるかどうかも重要なポイントです。いびきの原因となる上気道(鼻から喉までの空気の通り道)は耳鼻咽喉科の専門領域だからです。

ポイント2:治療法の選択肢と説明の丁寧さ

いびき治療には様々な方法があります。レーザー治療、CPAP療法、マウスピース、手術など、あなたの症状や生活スタイルに合った治療法を提案してくれるクリニックを選びましょう。

特に大切なのは、医師がそれぞれの治療法のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれるかどうかです。治療法の選択肢が少なく、最初から特定の治療法だけを勧めるクリニックには注意が必要です。

私の臨床経験から言えることですが、患者さん一人ひとりのいびきの原因は異なります。鼻の問題、口蓋垂(のどちんこ)の問題、舌の問題など、原因に応じた適切な治療法を選択することが重要なのです。

ポイント3:アクセスのしやすさと通院のしやすさ

いびき治療は、診断から治療、そして経過観察まで複数回の通院が必要になることがほとんどです。そのため、自宅や職場からアクセスしやすいクリニックを選ぶことも重要なポイントとなります。

診療時間や休診日も確認しておきましょう。仕事をしている方であれば、夜間診療や土日診療を行っているクリニックが便利です。また、予約システムがオンラインで完結するクリニックであれば、通院のハードルがさらに下がります。

さらには土日も診療しているクリニックがおすすめです。

いびき治療の主な方法と特徴

いびき治療には様々な方法がありますが、ここでは主な治療法とその特徴について解説します。あなたの症状や生活スタイルに合った治療法を見つける参考にしてください。

レーザー治療(切らないタイプ)

レーザー治療は近年、いびき治療の主流となっている方法です。特に「切らないレーザー治療」は、痛みや出血が少なく、ダウンタイム(日常生活に戻るまでの時間)もほとんどないため、多くの患者さんに選ばれています。

レーザー治療には、ナイトレーズ、スノアレーズ、パルスサーミアなど様々な種類があります。これらは口蓋垂(のどちんこ)やその周辺の粘膜にレーザーを照射し、組織を引き締めることで気道を広げる治療法です。

私の実感としては、レーザー治療の大きなメリットは「日常生活への影響が最小限」という点です。多くの患者さんは治療後すぐに飲食が可能で、翌日から普段通りの生活を送れます。

ただし、効果を実感するためには複数回の治療が必要なケースが多いことも知っておくべきでしょう。また、重度の睡眠時無呼吸症候群の場合は、レーザー治療だけでは不十分なこともあります。

CPAP療法

CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法です。マスクを装着して寝ることで、機械から送られる一定の圧力の空気によって気道を広げ、呼吸を安定させます。

CPAP療法の最大のメリットは、確実な効果が期待できることです。特に中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、医学的に最も推奨される治療法となっています。

一方で、毎晩マスクを装着して寝ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。また、旅行時に機械を持ち運ぶ必要があるなど、生活スタイルによっては不便に感じることもあるでしょう。

私の患者さんの中には、「CPAPを使い始めてから朝の目覚めが全く違う」と喜ばれる方がいる一方で、「マスクが合わなくて続けられない」と悩まれる方もいます。個人の状態や生活スタイルに合わせた選択が重要です。

マウスピース治療

マウスピース治療は、睡眠時に専用の装置を口に装着することで、下顎を前方に引き出し、気道を広げる治療法です。軽度から中等度のいびきや睡眠時無呼吸症候群に効果的とされています。

マウスピースのメリットは、CPAPに比べて携帯性が高く、電源も不要なため旅行先でも使いやすい点です。また、見た目も目立たないため、心理的な抵抗感が少ないという特徴もあります。

しかし、顎関節に負担がかかることがあるため、顎関節症の方には向かない場合があります。また、効果はCPAPほど高くないため、重度の睡眠時無呼吸症候群には不十分なこともあります。

私の臨床経験では、「CPAPは合わないけれどマウスピースなら続けられる」という患者さんも多くいらっしゃいます。治療の継続性を考えると、患者さん自身が「続けられる」と感じる治療法を選ぶことも非常に重要です。

いびき治療におすすめのクリニック選びのチェックポイント

実際にクリニックを選ぶ際には、どのような点をチェックすればよいのでしょうか。ここでは、具体的なチェックポイントをご紹介します。

医師の専門性と経験

いびき治療を行う医師の専門性と経験は非常に重要です。特に耳鼻咽喉科の専門医資格を持っているかどうかをチェックしましょう。また、睡眠医学や睡眠時無呼吸症候群に関する専門的な知識を持っているかも確認するとよいでしょう。

クリニックのウェブサイトには、医師のプロフィールや経歴が掲載されていることが多いです。医師の経験と専門性は、適切な診断と治療計画の立案に直結します。特にいびきの原因は多岐にわたるため、豊富な経験を持つ医師による診断が重要なのです。

検査・診断の充実度

いびき治療では、まず原因を特定するための適切な検査・診断が欠かせません。クリニックでどのような検査が行われるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。

一般的ないびきの検査には、問診、上気道の内視鏡検査、睡眠検査(簡易検査や終夜睡眠ポリグラフ検査)などがあります。特に睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠中の呼吸状態を測定する検査が重要です。

当院では、まず詳細な問診と内視鏡検査を行い、必要に応じて睡眠検査も実施しています。これにより、いびきの原因を正確に特定し、最適な治療法を提案することが可能になるのです。

検査・診断が不十分なまま治療が始まると、効果が出なかったり、適切でない治療法を選択してしまったりするリスクがあります。しっかりとした検査・診断を行うクリニックを選びましょう。

治療後のフォロー体制

いびき治療は、治療後のフォローも重要です。治療効果の確認や、必要に応じた治療計画の見直しなど、継続的なサポートが受けられるクリニックを選ぶことをおすすめします。

治療後のフォロー体制について、クリニックのウェブサイトや初診時に確認しておくとよいでしょう。例えば、定期的な経過観察の有無、治療効果が不十分だった場合の対応方針などです。

私の経験では、レーザー治療後に効果を実感できる方がほとんどですが、中には追加の治療が必要になるケースもあります。そのような場合にも適切に対応できる体制が整っているクリニックを選ぶことが大切です。

また、治療後に何か不安や疑問が生じた際に、気軽に相談できる環境があるかどうかも重要なポイントです。患者さんの不安を解消し、安心して治療を続けられるサポート体制が整っているクリニックを選びましょう。

いびき治療に関するよくある質問

いびき治療について、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。クリニック選びの参考にしてください。

Q1: いびき治療は保険適用されますか?

いびき治療の保険適用は、治療法と診断結果によって異なります。単純ないびきだけの場合は自費診療になることが多いですが、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP療法など一部の治療が保険適用となります。

レーザー治療については、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に保険適用となるケースもありますが、クリニックによって対応が異なりますので、事前に確認することをおすすめします。

当院では、初診・検査は保険診療で行い、治療内容によって保険適用か自費診療かを明確に説明しています。治療費について不安がある場合は、初診時に相談してみてください。

Q2: いびき治療の効果はどのくらい続きますか?

いびき治療の効果の持続期間は、治療法や個人の状態によって異なります。レーザー治療の場合、効果は一般的に1〜2年程度持続するとされていますが、生活習慣や体重の変化などによって効果が変わることもあります。

CPAP療法は、使用している間は確実に効果がありますが、使用を中止すると効果もなくなります。マウスピースも同様に、装着している間のみ効果があります。

私の臨床経験では、レーザー治療後に生活習慣の改善(体重管理、アルコール摂取の制限など)を行うことで、より長期間効果が持続する傾向があります。治療後のアドバイスもしっかり受けられるクリニックを選ぶとよいでしょう。

Q3: いびき治療は痛みを伴いますか?

いびき治療の痛みは、治療法によって大きく異なります。切らないタイプのレーザー治療(ナイトレーズ、スノアレーズなど)は、局所麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。治療後も軽い違和感程度で、日常生活に支障をきたすような痛みはないケースがほとんどです。

一方、従来の外科手術(口蓋垂軟口蓋形成術など)は、術後に痛みを伴うことがあります。また、CPAP療法やマウスピース治療は、使用初期に違和感を感じることはありますが、痛みはほとんどありません。

痛みに不安がある方は、初診時に医師に相談してみることをおすすめします。

Q4: いびき治療はどのくらいの期間通院が必要ですか?

通院期間は治療法によって異なります。レーザー治療の場合、1回の治療時間は約20〜30分程度で、効果を実感するためには2〜3回の治療が必要なケースが多いです。治療間隔は2〜4週間程度が一般的です。

CPAP療法の場合は、機器の調整や使用状況の確認のために定期的な通院が必要です。一般的には1〜3ヶ月に1回程度の通院が推奨されています。

マウスピース治療では、装置の調整のために数回の通院が必要です。その後は、半年に1回程度の経過観察が一般的です。

当院では、患者さんの状態や生活スタイルに合わせて通院スケジュールを調整しています。仕事や家庭の都合で通院が難しい方には、できるだけ負担の少ない通院計画を提案するよう心がけています。

Q5: 子供のいびきも治療できますか?

子供のいびきも治療可能ですが、大人とは原因や治療法が異なる場合が多いです。子供のいびきの主な原因はアデノイドや扁桃腺の肥大であることが多く、まずは小児科や小児耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。

子供のいびきが睡眠時無呼吸症候群を伴う場合は、成長発達に影響を与える可能性もあるため、早めの受診が重要です。特に、いびきとともに呼吸が止まる、日中の眠気が強い、落ち着きがないなどの症状がある場合は、専門医への相談をおすすめします。

当院では、子供のいびきについても相談を受け付けていますが、状態によっては小児専門の医療機関をご紹介することもあります。子供の健康を第一に考え、最適な治療法をご提案いたします。

まとめ:あなたに合ったいびき治療クリニックを見つけるために

いびき治療におけるクリニック選びは、あなたの健康と睡眠の質を大きく左右する重要な決断です。この記事でご紹介した選び方のポイントを参考に、あなたに合ったクリニックを見つけていただければ幸いです。

最後に、いびき治療クリニック選びのポイントを簡潔にまとめます。

  • 医師の専門性と経験を確認する(耳鼻咽喉科専門医、いびき治療の実績など)
  • 治療法の選択肢が豊富で、丁寧な説明をしてくれるクリニックを選ぶ
  • アクセスのしやすさや診療時間など、通院のしやすさを考慮する
  • 検査・診断の充実度を確認する(問診、内視鏡検査、睡眠検査など)
  • 治療後のフォロー体制が整っているクリニックを選ぶ

いびきは「うるさいだけの問題」ではなく、睡眠時無呼吸症候群などの健康リスクを示すサインかもしれません。少しでも気になる症状があれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。

あなたの健やかな睡眠と、パートナーの安らかな夜をサポートできることを願っています。

詳細はコレージュクリニック公式サイトをご覧ください

 

コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。 いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。

レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割

ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。

コレ―ジュクリニックとは

医師紹介

都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。

  • 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
  • 日本めまい平衡医学会 参与
  • 日本臨床医療レーザー協会 会員
  • 帝京大学医学部 元准教授

いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。

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