column コラム
いびきの原因と対策を専門医が解説…肥満・口呼吸・飲酒への対処法
2025.11.26
目次
1.いびきに悩む方へ…睡眠の質を取り戻すために
2.いびきが発生する仕組み…なぜ音が鳴るのか
3.肥満がいびきを引き起こす理由…首周りの脂肪が気道を圧迫
4.口呼吸がいびきを誘発する理由…鼻づまりとの関係
5.飲酒がいびきを悪化させる理由…アルコールによる筋肉の弛緩
6.その他のいびきの原因…疲労・ストレス・骨格の影響
7.日常生活でできるいびき対策…今日から始められる方法
8.専門医による検査と治療…睡眠時無呼吸症候群の可能性
9.よくあるご質問…いびきに関する疑問にお答えします
10.まとめ…いびき改善への第一歩を踏み出しましょう
いびきに悩む方へ…睡眠の質を取り戻すために
「いびきがうるさい」とご家族に指摘されたことはありませんか。
いびきは単なる音の問題ではありません。睡眠の質を低下させ、日中の活動に影響を及ぼすだけでなく、睡眠時無呼吸症候群のような深刻な病気のサインである可能性もあります。
この記事では、いびきの主な原因である肥満・口呼吸・飲酒について、医学的な観点から詳しく解説します。また、日常生活で実践できる対策から、専門的な治療法まで、幅広くご紹介します。
いびきが発生する仕組み…なぜ音が鳴るのか
いびきは、睡眠中に空気の通り道である「上気道」が狭くなることで発生します。
狭くなった気道を空気が勢いよく通過する際、喉の粘膜や軟口蓋が振動して音が鳴るのです。この振動音が「いびき」として聞こえます。
上気道は鼻から喉を通って気管へと続く部分で、舌や軟口蓋といった柔らかい筋肉や粘膜でできています。起きている時は筋肉の緊張によって気道が保たれていますが、睡眠中は全身の筋肉がリラックスして弛緩します。
特に仰向けで寝ると、重力によって舌の付け根が喉の奥に落ち込み、さらに気道が狭まりやすくなります。気道が狭いほど空気の流速は上がり、振動も大きくなるため、いびきの音も大きくなるのです。
肥満がいびきを引き起こす理由…首周りの脂肪が気道を圧迫
体重が増加すると、首周りや喉の内部にも脂肪が蓄積します。
この脂肪が気道を外側と内側の両方から圧迫し、空気の通り道を狭くするのです。肥満は、いびきの最も一般的な原因の一つと言えます。
肥満によるいびきの特徴
肥満が原因のいびきには、いくつかの特徴があります。体重増加とともにいびきが悪化する傾向があり、特に首周りのサイズが大きくなるほどリスクが高まります。
また、肥満体型の方は仰向けで寝ると、首周りの脂肪に加えて腹部の脂肪が横隔膜を圧迫し、呼吸がさらに浅くなることがあります。これにより、いびきだけでなく睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まるのです。
減量がもたらす効果
体重を減らすことで、首周りの脂肪が減少し、気道の圧迫が軽減されます。
実際、体重の5〜10%程度の減量でも、いびきの改善が期待できることが分かっています。適切な食事管理と適度な運動を組み合わせることで、無理なく減量を進めることが肝要です。
ただし、急激な減量は体に負担をかけるため、医師や栄養士と相談しながら、計画的に進めることをお勧めします。
口呼吸がいびきを誘発する理由…鼻づまりとの関係
鼻が詰まっていると、鼻で呼吸するのが難しくなり、無意識に口呼吸になります。
口呼吸をすると口が開いたままになり、舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、いびきの原因となるのです。アレルギー性鼻炎や風邪などで鼻が詰まっている時期に、特にいびきをかきやすくなる方が多いのはこのためです。
鼻づまりの主な原因
鼻づまりを引き起こす原因は様々です。花粉症やハウスダストなどのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症などが代表的です。
季節性のアレルギーの場合、特定の時期にいびきが悪化することがあります。また、慢性的な鼻炎の場合は、年間を通じて口呼吸が習慣化してしまうこともあります。
口呼吸を防ぐための対策
鼻づまりを改善することが、口呼吸防止の鍵になります。アレルギー性鼻炎の場合は、抗アレルギー薬の服用や点鼻薬の使用が有効です。
また、鼻腔を広げるテープやマウステープを使用することで、物理的に口呼吸を防ぐ方法もあります。ただし、鼻が完全に詰まっている状態でマウステープを使用すると、呼吸困難になる可能性があるため、まずは鼻づまりの治療を優先することが妥当です。
加齢によって口元の筋力が低下すると、寝ている間に口が自然と開き、口呼吸になりやすくなります。口周りや舌の筋肉を鍛える体操を日常的に行うことで、予防効果が期待できます。
飲酒がいびきを悪化させる理由…アルコールによる筋肉の弛緩
アルコールには筋肉を弛緩させる作用があります。
寝る前にお酒を飲むと、喉の筋肉が通常以上に緩んでしまい、舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。このため、普段はいびきをかかない人でも、飲酒後はいびきをかきやすくなるのです。
飲酒によるいびきの特徴
飲酒が原因のいびきには、明確なパターンがあります。お酒を飲んだ日に特にいびきがひどくなる、飲酒量が多いほどいびきが大きくなる、といった傾向が見られます。
また、アルコールは睡眠の質そのものも低下させます。深い眠りに入りにくくなり、夜中に何度も目が覚めることがあります。いびきと相まって、睡眠の質が著しく低下する可能性があります。
寝酒の習慣を見直す
「寝つきを良くするため」にお酒を飲む習慣がある方もいらっしゃいます。
しかし、アルコールは一時的に眠気を誘うものの、睡眠の質を低下させ、いびきを悪化させるため、長期的には逆効果です。就寝の3〜4時間前までに飲酒を済ませることで、体内からアルコールが抜けた状態で眠ることができます。
どうしても寝酒の習慣をやめられない場合は、量を減らすことから始めてみてください。少量であれば、筋肉への影響も軽減されます。
その他のいびきの原因…疲労・ストレス・骨格の影響
肥満・口呼吸・飲酒以外にも、いびきを引き起こす要因は存在します。
疲労とストレス
過度な疲労やストレスは、自律神経の働きを乱し、筋肉のコントロールをうまくできなくさせます。また、疲れがたまっていると深い眠りに入ろうとして筋肉が強く弛緩し、結果としていびきをかきやすくなります。
十分な休息を取り、ストレスを適切に管理することが、いびき予防にもつながります。
顎の骨格と体型
日本人を含むアジア人は、欧米人と比較して顎が小さい、または下顎が後方に引っ込んでいる骨格の人が多い傾向にあります。
このような骨格の場合、舌が収まるスペースが元々狭いため、少しの体重増加や加齢でもすぐに舌が喉を塞ぎ、いびきの原因となります。いわゆる「小顔」の方は、痩せていてもこのような骨格の特徴ゆえに、いびきが出やすい傾向があります。
女性ホルモンの影響
産前産後や更年期以降の女性は、ホルモンバランスの影響でいびきをかきやすくなることがあります。
更年期以降は、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの分泌量が減少します。プロゲステロンには気道を広げる働きがあるため、これが減ることで気道が狭まり、いびきが出やすくなるのです。
日常生活でできるいびき対策…今日から始められる方法
いびきを軽減するために、日常生活で実践できる対策をご紹介します。
横向きで寝る
仰向けで寝ると、重力によって舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。横向きで寝ることで、舌の落ち込みを防ぎ、気道を確保しやすくなります。
横向き寝を習慣化するために、抱き枕を使用したり、背中にクッションを置いたりする方法があります。
枕の高さを調整する
枕が高すぎると首が曲がり、気道が狭くなります。逆に低すぎると頭が後ろに倒れ、やはり気道が圧迫されます。
適切な高さの枕を選ぶことで、気道を自然な状態に保つことができます。一般的には、立っている時と同じ首の角度を保てる高さが理想的です。
生活習慣の見直し
禁煙も重要な対策の一つです。タバコに含まれる化学物質が気道の粘膜を刺激し、むくみや炎症を引き起こします。むくみや炎症が起こると気道が狭くなるため、いびきが出やすくなります。
また、就寝前の飲食を控えることも効果的です。満腹状態で寝ると、横隔膜が圧迫されて呼吸が浅くなり、いびきをかきやすくなります。
専門医による検査と治療…睡眠時無呼吸症候群の可能性
日常生活での対策を試しても改善が見られない場合、専門医による検査を受けることをお勧めします。
危険ないびきのサイン
以下のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- 毎晩のように大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まっている、または息苦しそうに喘いでいる
- 十分な睡眠時間を確保しているのに、日中に強い眠気を感じる
- 朝起きたときに頭痛がしたり、口や喉がカラカラに渇いている
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧や心血管疾患、糖尿病などのリスクを高める可能性があります。
専門的な検査と診断
睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠ポリグラフ検査が用いられます。この検査では、睡眠中の呼吸状態、酸素飽和度、脳波、心電図などを測定し、無呼吸の回数や重症度を評価します。
検査は自宅で行える簡易型と、医療機関で一晩入院して行う精密型があります。症状の程度に応じて、適切な検査方法を選択します。
レーザー治療という選択肢
当院では、痛みや出血の少ないレーザー治療を提供しています。いびきの原因となる軟口蓋や口蓋垂をレーザーで処置することで、気道を広げる効果が期待できます。
日帰り手術で行うことができ、保険診療にも対応しています。これまで28,000件以上の症例実績があり、満足度94%という高い評価をいただいています。
ただし、すべての方にレーザー治療が適しているわけではありません。まずは詳しい検査を行い、原因を特定した上で、最適な治療法をご提案します。
よくあるご質問…いびきに関する疑問にお答えします
Q1. 痩せているのにいびきをかくのはなぜですか?
痩せている方でも、顎が小さい骨格の場合、舌が収まるスペースが狭く、いびきをかきやすくなります。また、鼻づまりによる口呼吸や、扁桃腺の肥大なども原因となることがあります。体型だけでなく、骨格や気道の状態も影響するのです。
Q2. いびきは遺伝しますか?
いびきそのものが遺伝するわけではありませんが、顎の骨格や気道の形状など、いびきをかきやすい体質は遺伝する可能性があります。ご家族にいびきをかく方が多い場合は、同様の傾向がある可能性も考えられます。
Q3. 子どものいびきは心配ないですか?
子どものいびきは、アデノイドや扁桃腺の肥大が原因であることが多いです。習慣的にいびきをかいている場合、小児睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、耳鼻咽喉科や小児科に相談することをお勧めします。
Q4. いびき防止グッズは効果がありますか?
鼻腔を広げるテープやマウステープ、いびき防止枕などは、軽度のいびきには一定の効果が期待できます。ただし、睡眠時無呼吸症候群のような深刻な状態には十分な効果が得られない可能性があります。まずは原因を特定することが重要です。
Q5. CPAP療法とはどのような治療ですか?
CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法です。マスクを装着し、空気を送り込むことで気道を広げ、無呼吸を防ぎます。最近の研究では、CPAP療法が全死亡率を37%、心血管疾患による死亡率を55%低下させることが報告されています。
まとめ…いびき改善への第一歩を踏み出しましょう
いびきの主な原因は、肥満による気道の圧迫、口呼吸による舌の落ち込み、飲酒による筋肉の弛緩です。
日常生活でできる対策として、減量、横向き寝、枕の調整、禁煙、寝酒の見直しなどがあります。これらの対策を組み合わせることで、いびきの軽減が期待できます。
ただし、毎晩大きないびきをかく、睡眠中に呼吸が止まる、日中の強い眠気があるといった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この場合は、専門医による検査と治療が必要です。
当院では、レーザー治療をはじめとする専門的ないびき治療を提供しています。保険診療にも対応しており、日帰り手術で治療を受けることができます。
いびきでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。詳しい検査を行い、あなたに最適な治療法をご提案いたします。快適な睡眠を取り戻し、健康な毎日を送るお手伝いをさせていただきます。
詳細はこちら:コレージュクリニック
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。