column コラム
花粉症レーザー治療は何年持つ?持続期間と再治療のタイミング
2026.02.07
「レーザー治療を受けたいけど、どれくらい効果が続くのだろう?」
花粉症に悩む方から、こんな質問をよく受けます。薬に頼らず症状を抑えられるレーザー治療は魅力的ですが、効果の持続期間は誰もが気になるポイントです。
本記事では、レーザー治療の効果が何年持つのか、再治療が必要になるサインは何か、そして効果を長持ちさせるための具体的な方法について、実際の症例データをもとに詳しく解説します。
目次
1.花粉症レーザー治療の平均的な効果持続期間
2.花粉症レーザー治療の再治療が必要になるサインと判断基準
3.花粉症レーザー治療の効果を長持ちさせるための生活習慣
4.よくある質問(FAQ)
5.まとめ:長期的な視点で症状をコントロールする
花粉症レーザー治療の平均的な効果持続期間
下甲介粘膜焼灼術、いわゆるレーザー治療の効果持続期間は、一般的に1年から2年とされています。
ただし、これはあくまで平均的な目安です。
レーザー治療は決して短期的な対症療法ではなく、長期的な症状コントロールが期待できる治療法なのです。
ただし、効果の持続期間は個人差が大きく、半年程度で症状が戻ってくる方もいれば、5年以上快調な方もいます。この差はどこから生まれるのでしょうか?
効果の持続期間に影響する要因
効果の持続期間を左右する要因は複数あります。
アレルギーの重症度
軽度から中等度のアレルギー性鼻炎の方は、重症の方に比べて効果が長持ちしやすい傾向があります。重症の方は粘膜の反応性が高いため、焼灼した粘膜が再び過敏になるまでの期間が短くなりやすいのです。
抗原への曝露頻度
ハウスダストやダニなど通年性のアレルギーの場合、日常的に抗原に触れるため、スギ花粉など季節性のアレルギーに比べて効果の持続期間がやや短くなる可能性があります。
鼻の構造的な問題
鼻中隔弯曲症など鼻腔が狭い方は、レーザー治療だけでは十分な効果が得られにくく、効果の持続期間も短くなりがちです。こうした方には、鼻中隔矯正術などの構造改善手術を併用することで、より長期的な効果が期待できます。
再治療の可能性と頻度
効果が薄れてきた場合、再治療は可能です。
むしろ、2年以内の再照射であれば、初回よりも術後の副作用が軽く済むことが多いです。粘膜がすでに一度焼灼されているため、腫れや鼻づまりといった術後の反応が穏やかになる傾向があります。
当院では、1年から2年に一度のペースで再治療を受けることで、長期的に症状をコントロールしている方が多くいらっしゃいます。定期的なメンテナンスと考えていただくと良いでしょう。
花粉症レーザー治療の再治療が必要になるサインと判断基準
「そろそろ再治療が必要かもしれない」
そう感じるタイミングは、人によって異なります。しかし、いくつかの明確なサインがあります。
症状の再発パターン
最も分かりやすいサインは、治療前と同じような症状が戻ってくることです。
具体的には、朝起きたときの連続したくしゃみ、水のような鼻水が止まらない、鼻づまりで口呼吸になる、といった症状が再び現れ始めたら要注意です。
ただし、症状が完全に治療前の状態に戻るわけではありません。多くの場合、徐々に症状が強くなっていくため、「以前より少し鼻がムズムズする」「薬を飲む頻度が増えてきた」といった微妙な変化に気づくことが肝要です。
また、花粉症の方は、シーズン中の症状の強さで判断できます。レーザー治療後の最初のシーズンは楽に過ごせたのに、次のシーズンでは症状が強く出るようになった場合、効果が薄れてきている可能性が高いです。
薬の効き目の変化
レーザー治療後は、薬の使用量が減る、あるいは全く必要なくなる方が多いです。
しかし、効果が薄れてくると、再び薬が必要になったり、以前と同じ量の薬を飲んでも効きにくくなったりします。これも再治療を検討するタイミングの一つです。
特に、点鼻薬の使用頻度が増えてきた場合は注意が必要です。市販の血管収縮剤を含む点鼻薬を長期使用すると、薬物性鼻炎という状態になり、かえって鼻づまりが悪化することがあります。
日常生活への影響度
症状の強さだけでなく、日常生活への影響度も判断基準になります。
仕事や勉強に集中できない、睡眠の質が低下している、外出が億劫になる、といった生活の質の低下が見られる場合は、再治療を検討する妥当なタイミングです。
当院では、「日常生活に支障がない程度」を治療の目標としています。症状がゼロになることは難しくても、普通に生活できる状態を維持することが重要なのです。
花粉症レーザー治療の効果を長持ちさせるための生活習慣
レーザー治療の効果を最大限に引き出し、長持ちさせるには、日常生活での工夫が欠かせません。
治療だけに頼るのではなく、抗原への曝露を減らし、鼻粘膜の状態を良好に保つことが鍵になります。
室内環境の整備
ハウスダストやダニは、通年性アレルギー性鼻炎の主な原因です。
週に1~2回、1回あたり20秒/㎡の時間をかけて室内を掃除することが推奨されます。これは単に掃除機をかけるだけでなく、拭き掃除も含めた丁寧な清掃を意味します。
室内の湿度を約50%、温度を20~25℃に保つことも重要です。ダニは高温多湿を好むため、適切な湿度管理がダニの繁殖を抑えます。
織物のソファーやじゅうたん、畳はできるだけ避け、ベッドのマット、ふとん、枕には防ダニカバーをかけることも有効です。寝具は特にダニが繁殖しやすい場所なので、こまめな対策が必要になります。
花粉シーズンの対策
花粉症の方は、シーズン中の対策が効果の持続に直結します。
外出時はマスクやメガネを着用し、帰宅時には玄関前で衣服をはたいて花粉を落とす習慣をつけましょう。花粉は衣服に付着しやすく、そのまま室内に持ち込むと症状が悪化します。
洗濯物や布団を外に干すのは避け、室内干しか乾燥機を使用することが望ましいです。どうしても外干しする場合は、取り込む際に十分にはたいてから室内に入れてください。
また、窓を開けての換気は、花粉の飛散が少ない早朝や夜間に短時間行うのが妥当です。日中の換気は最小限にとどめましょう。
鼻のケアと健康管理
鼻粘膜の状態を良好に保つことも、効果の持続に寄与します。
生理食塩水での鼻うがいは、鼻腔内の抗原を洗い流し、粘膜の炎症を抑える効果があります。ただし、やりすぎは逆効果なので、1日1~2回程度が適切です。
十分な睡眠とバランスの取れた食事も重要です。免疫機能が低下すると、アレルギー反応が強くなりやすいため、規則正しい生活習慣を心がけてください。
喫煙は鼻粘膜を刺激し、炎症を悪化させるため、禁煙が強く推奨されます。受動喫煙も同様に有害ですので、避けるべきです。
よくある質問(FAQ)
Q1: レーザー治療は痛いですか?
局所表面麻酔を行うため、手術中の痛みはほとんどありません。術後2~3日は軽いヒリヒリ感がありますが、鎮痛剤を服用する方は2~3人に1人程度です。翌日以降も痛みが続くことはまずありません。
Q2: 手術後、すぐに仕事や学校に行けますか?
日帰り手術で、術後すぐに帰宅できます。ただし、術後2~3日は鼻汁が多く出たり、軽い鼻づまりがあったりするため、可能であれば翌日は休養することをお勧めします。デスクワークであれば翌日から可能な方が多いです。
Q3: 花粉シーズン中でもレーザー治療は受けられますか?
スギ花粉症の方は、2月~4月の花粉飛散時期は避けるべきです。既に炎症が起きている粘膜にレーザーを照射しても効果が得られにくく、術後のダメージが悪化する恐れがあります。10月から1月中の治療が理想的です。通年性アレルギーの方はいつでも可能ですが、症状が強い時期は事前に薬で症状を抑えてから行います。
Q4: 何歳から治療を受けられますか?
小学校中学年くらい(8歳くらい)から可能です。麻酔のガーゼを鼻に入れる処置に耐えられること、手術中じっとしていられることが条件になります。ご高齢の方でも、全身状態に問題がなければ受けられます。
Q5: 保険は適用されますか?費用はどれくらいですか?
保険適用の治療です。3割負担の方で手術料は約10,000円、診察料や処方箋料などを含めて総額10,000円~15,000円程度です。医療証をお持ちのお子様(中学生以下など自治体による)は、窓口負担なしで受けられる場合があります。
まとめ:長期的な視点で症状をコントロールする
花粉症レーザー治療の効果持続期間は、平均1~2年、長い方で7年以上です。
効果の持続期間には個人差がありますが、適切な生活習慣と定期的な再治療により、長期的に症状をコントロールすることが可能です。
症状が再発してきたと感じたら、早めに専門医に相談することが肝要です。完全に元の状態に戻る前に再治療を行うことで、より軽い処置で済み、術後の回復も早くなります。
当院では、29,000件を超える実績をもとに、患者さん一人ひとりに最適な治療計画を提案しています。レーザー治療だけでなく、後鼻神経切断手術など、症状に応じた様々な治療法を用意しています。
花粉症やアレルギー性鼻炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36394879/
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。