column コラム
鼻炎レーザー治療の効果はいつから?持続期間と効果を高める方法
2026.02.11
鼻炎レーザー治療を検討されている方にとって、「いつから効果が現れるのか」「どれくらい持続するのか」は最も気になる点ではないでしょうか。
本記事では、レーザー治療の効果が現れる時期、持続期間、そして効果を最大化するための術後ケアについて、実際の臨床データに基づいて解説します。
治療を受けるべきか迷っている方、すでに治療を受けられた方にも役立つ情報をお届けします。
目次
1.鼻炎レーザー治療の効果はいつから?
2.鼻炎レーザー治療の効果持続期間
3.鼻炎レーザー治療の効果を最大化する術後ケア
4.鼻炎レーザー治療効果を高めるための事前準備
5.よくあるご質問(FAQ)
6.まとめ
鼻炎レーザー治療の効果はいつから?
鼻炎レーザー治療後、効果が現れるまでの経過は段階的です。
治療直後から1週間は、むしろ鼻づまりや鼻水が一時的に悪化します。これは粘膜が軽いやけど状態になっているためで、正常な反応です。特に初めてレーザーを受ける方は、術後1~3日は鼻で息ができなくなることもあります。
術後1週間を過ぎると、鼻水や鼻づまりが落ち着き始めます。この時期から粘膜表面のかさぶたが少しずつはがれていきます。
3~4週間後には良い状態になり、多くの方が効果を実感されます。焼かれた粘膜が抗原が侵入しにくく、腫れにくい粘膜に生え替わるのがこの時期です。
当院の経験では、術後1ヶ月の時点で著効(ほとんど症状がなくなった)と中等度有効(症状が半分以下になった)を合わせると83%の方に改善が認められています。
症状別の効果の現れ方
鼻づまりに対しては約90%の方に改善が期待できます。レーザーで粘膜を焼灼することで粘膜が収縮し、鼻腔の空間が広がるためです。
一方、鼻水やくしゃみに対しては約50~60%の方に改善が見られます。鼻づまりほどではありませんが、粘膜表面が変性することでアレルギー反応が起こりにくくなるためです。
このように、レーザー治療は「鼻づまりには効果があるものの、鼻水・くしゃみについては効果が限定的である」とお伝えしています。
個人差が生じる理由
効果の現れ方に個人差が生じるのは、いくつかの要因があります。
鼻粘膜の状態、アレルギーの重症度、鼻腔の構造などが影響します。また、術後のケアの丁寧さや、アレルゲンへの曝露状況も関係してきます。
過去にレーザー治療を受けたことがある方は、2回目以降の治療では術後の副作用がわずかで済むことが多いです。粘膜がすでに一度変性しているためと考えられます。
鼻炎レーザー治療の効果持続期間
効果の持続期間は個人差がありますが、平均して1~2年程度です。
当院の長期経過観察では、術後複数年経過しても症状が半減している状態が維持されています。これは、術後の年数を経過しても過半数の方の症状が手術前の半分以下に抑えられているという意味です。
5年以上の効果持続を感じておられる患者さんも多く、長期的な効果が期待できる治療法です。
効果が長持ちする方の特徴
効果が長く持続する方には共通点があります。
まず、術後のケアを丁寧に行っている方です。鼻の中を清潔に保ち、処方された薬をきちんと使用することで、粘膜の再生が良好に進みます。
また、アレルゲンの除去を心がけている方も効果が長持ちする傾向です。週に1~2回の室内掃除、湿度約50%・温度20~25℃の維持、防ダニカバーの使用などが有効です。
通年性アレルギーの方で、症状が出ている時期を避けて治療を受けた方も、効果が長く続きやすいです。炎症が起きている粘膜にレーザーをあてても効果は期待できないためです。
再治療のタイミング
効果が薄れてきたと感じたら、再治療を検討する時期です。
2年以内の再照射であれば、術後の副作用はわずかな症状で済むことが多いです。初回治療時のような強い鼻づまりや鼻水の悪化は起こりにくくなります。
スギ花粉症の方は、10月から12月に受けられることをお勧めします。効果は1年から2年持続しますが、半年くらいから少しずつ効果が落ち始めるためです。
再燃した後に再開したレーザー治療により、効果は直ぐに強く現れる傾向があります。これは以前の治療で粘膜がすでに変性しているためと考えられます。
鼻炎レーザー治療の効果を最大化する術後ケア
レーザー治療の効果を最大限に引き出すには、術後のケアが重要です。
当院では患者さんに具体的なケア方法をお伝えしており、それを実践された方は効果の持続期間が長い傾向にあります。
術後1週間のケア
術後1週間は最も重要な時期です。
処方された炎症止めなどの薬を指示通りに服用してください。鼻水や鼻づまりの悪化を抑え、粘膜の再生を助けます。
術後当日は入浴を避け、シャワー程度にとどめてください。スポーツや長時間の入浴(温泉など)は1週間ほど控えていただきます。血行が良くなりすぎると出血のリスクが高まるためです。
かさぶたを無理に取らないことも大切です。自然にはがれるまで待ちましょう。無理に取ると出血する恐れがあります。
術後1週間から1ヶ月のケア
術後1週間後には、鼻の中の状態を確認するために受診していただきます。かさぶたを取り除くなど、鼻の中のお掃除をします。
この時期は粘膜が再生している最中です。鼻を強くかみすぎないよう注意してください。
2~3週間ほどするとかさぶたがつかなくなり、数回の通院の間に鼻の状態が落ち着きます。
長期的なケア
粘膜が完全に再生した後も、アレルゲンの除去を継続することが効果の持続につながります。
ダニ・家のほこりに対しては、週に1~2回は1回20秒/mの時間をかけて室内を掃除することが推奨されます。室内の湿度を約50%、温度を20~25℃に保つことも有効です。
花粉症の方は、花粉飛散時期にマスクや眼鏡を使用し、帰宅時に衣服についた花粉を払い落とすなどの対策を続けてください。
市販の点鼻薬(血管収縮剤)の長期使用は避けましょう。薬物性鼻炎と呼ばれる、薬が効きにくい高度の粘膜の腫れがおこる可能性があります。
鼻炎レーザー治療効果を高めるための事前準備
レーザー治療の効果を高めるには、治療前の準備も重要です。
治療に適した時期の選択
スギ花粉症に対するレーザー治療は、できれば1カ月ぐらい前に治療を終えておくのが理想的です。大阪府では2月中旬から花粉が飛散し始めますので、10月から1月中のレーザー治療をお勧めしています。
スギ花粉の時期にレーザー治療を行わない理由は、既に炎症がおきている粘膜にレーザーをあててもあまり効果は得られないためです。また、レーザー後2週間ほどの間に花粉が粘膜に付いて炎症を起こしてしまった場合も効果は期待できなくなります。
ダニやハウスダストなどの通年性アレルギーの方は、基本的にはいつでも治療を行うことができます。ただし、症状が出ている時には、まず鼻炎の治療をしてからレーザー治療を行います。
事前の薬物療法
常に鼻水や鼻づまりがある方は、事前に内服薬と点鼻薬を1~2週間程度使用していただき、症状を極力おさえてからレーザーが可能か判断します。
炎症がおきているときにレーザーを照射してもあまり効果は期待できません。過去に受けたレーザー治療があまり効かなかったという方は、この事前の対処をしていないことが多いです。
検査による適応判断
当院では、血液検査(血清特異的IgE抗体検査)や鼻汁好酸球検査で診断を行っています。これによって、通年性アレルギーか季節性花粉症かを判断できます。
鼻粘膜誘発試験も有用な検査です。下甲介にハウスダストやスギの成分を染み込ませた紙切れを置いて局所の反応を観察します。最も敏感な検査のひとつであり、どの症状が強いかなどの治療に役立つ情報が得られます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. レーザー治療は痛いですか?
局所表面麻酔を使用するため、術中の痛みはほとんどありません。術後の痛みも軽度で、鎮痛剤を服用される方は2~3人に1人程度です。翌日以後も痛みが続くようなことはありません。
Q2. 治療当日から仕事や学校に行けますか?
出血や痛みはほとんどないため、術後すぐに学校、お仕事に行かれても特に問題ありません。ただし、激しい運動は1週間ほど控えていただきます。
Q3. 効果が永久に続きますか?
レーザー治療は、あくまでも鼻の症状を軽減する治療であり、永久的に完全に症状をなくしてしまうものではありません。個人差がありますが、平均して約1~2年、長い方で5年以上効果が持続します。
Q4. 保険は適用されますか?
健康保険の適応が認められています。3割負担で1回約9,000円~1万円程度です。これに診察料や処方せん料などが加わります。
Q5. 何回くらい治療を受ける必要がありますか?
多くの方は1回の治療で効果が得られます。ただし、効果が薄れてきたと感じたら、再治療を検討する時期です。効果を維持するには1年から2年に一度レーザーを受ける必要があります。2年以内の再照射であれば術後の副作用はわずかな症状で済みます。
まとめ
鼻炎レーザー治療の効果は、多くの方が術後2週間から実感され、3~4週間後には良い状態になります。
効果の持続期間は平均して1~2年、長い方で5年以上です。術後のケアを丁寧に行い、アレルゲンの除去を継続することで、効果を長く維持できます。
レーザー治療は鼻づまりに対して約90%、鼻水やくしゃみに対して約50~60%の改善率があり、多くの方に有効な治療法です。
当院では29,000件を超える実績を持ち、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しています。レーザー治療を検討されている方は、専門性の高い医療機関を受診し、それぞれのメリット、デメリットを良く検討されることをお勧めします。
アレルギー性鼻炎でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたに最適な治療法を一緒に見つけていきましょう。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36394879/
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。