column コラム
鼻うがいの正しいやり方|効果・生理食塩水の作り方・注意点を耳鼻科専門医が解説【銀座】
2026.08.27
「鼻うがいをやってみたいけれど、正しいやり方がわからない」「痛そうで不安」。花粉症や副鼻腔炎、後鼻漏の対策として鼻うがいに関心を持つ方は多いものの、やり方を間違えると逆効果になることもあります。
鼻うがいは、正しい方法で行えば痛みもなく、鼻の中をすっきりと洗い流せる安全なセルフケアです。一方で、水の濃度・温度・圧力・姿勢を誤ると、中耳炎などのトラブルにつながることもあるため、正しいやり方を知ることが大切です。
この記事では、鼻うがいの正しいやり方を、生理食塩水の作り方・痛くないコツ・注意点・期待できる効果まで、耳鼻咽喉科専門医の立場から詳しく解説します。

鼻うがいとは?期待できる効果
鼻うがい(鼻洗浄)とは、生理食塩水で鼻の中を洗い流し、鼻水・花粉・ほこり・細菌やウイルスなどを物理的に洗い流すセルフケアです。医療現場でも推奨されており、耳鼻科で指導されることもある、安全で効果が期待できる方法です。
鼻うがいで期待できる効果には、次のようなものがあります。鼻から入った花粉やハウスダストなどのアレルゲンを洗い流し、花粉症やアレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまり・ムズムズ感を和らげます。副鼻腔炎では、粘り気のある鼻水や膿性の分泌物を洗い流し、鼻腔から上咽頭を清潔に保ちます。後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)の不快感を軽減する効果も期待できます。また、風邪を繰り返す方の予防的な鼻腔ケアとしても活用できます。ただし、鼻うがいはあくまで症状を和らげる補助的な方法であり、原因に対する治療の代わりにはなりません。
鼻うがいの生理食塩水の作り方
鼻うがいで使う洗浄液は、体液と同じ濃度の生理食塩水(約0.9%の塩水)を使います。真水で行うと、鼻の粘膜との浸透圧の違いからツーンとした強い痛みを感じるため、生理食塩水を使うことが痛くない鼻うがいのポイントです。
生理食塩水は自宅で簡単に作れます。沸騰させて37〜40℃程度に冷ましたお湯500mlに、塩を約5g(小さじ1杯程度)溶かせば完成です。沸騰させると水分が蒸発するため、少し多めの水を温めるのがポイントです。作った洗浄液は保存せず、使い切るたびに作り、残ったものは捨ててください。市販の鼻うがい専用の粉末を使うと、適切な濃度の洗浄液を手軽に作れて便利です。市販の「ハナノア」などの鼻うがい製品を付属の洗浄液とともに使っても問題ありません。
鼻うがいの正しいやり方の手順
鼻うがいの正しいやり方を、手順に沿って説明します。ポイントを押さえれば、痛みなく安全に行えます。
手順①:洗浄液と器具を準備する
体温に近い温度(36〜40℃程度)の生理食塩水を用意します。冷たい水や熱すぎる水は粘膜に刺激を与えるため、体温程度のぬるま湯で作ることが大切です。市販の鼻洗浄器や、専用のボトルを用意します。
手順②:前かがみの姿勢をとる
洗面台の前で前かがみの姿勢になり、あごを少し引きます。この姿勢が非常に重要です。上を向くと洗浄液が耳に流れ込み、中耳炎の原因になるため、前かがみを保ち、あまり上を向かないようにしてください。
手順③:「えー」と発声しながらゆっくり流し込む
口を軽く開けて「えー」と声を出しながら、片方の鼻の穴から洗浄液をゆっくり流し込みます。「あー」より「えー」と発声したほうが、喉の奥(軟口蓋)が上がって洗浄液が耳に流れ込みにくくなります。発声しながら行うことで、洗浄液が喉や耳に流れるのを防げます。
手順④:反対側の鼻や口から出す
流し込んだ洗浄液を、反対側の鼻の穴から出します。難しければ、入れた側の鼻や口から出しても構いません。最初はうまくいかなくても、慣れれば自然にできるようになります。
手順⑤:やさしく鼻をかんで器具を洗浄する
洗浄後は、強くかまず、片方ずつやさしく鼻をかんで残った液を出します。鼻の中に洗浄液が残っていると中耳炎の原因になることがあるため、しっかり出しましょう。使った器具は清潔に洗い、しっかり乾燥させて保管します。
鼻うがいを痛くないやり方で行うコツ
「鼻うがいについて患者さんからよくいただくのが『痛そうで怖い』というお声です。しかし、鼻うがいは正しいやり方を守れば、痛みを感じることはほとんどありません。痛くない鼻うがいのコツは、大きく3つあります。
1つ目は、真水ではなく体液と同じ濃度の生理食塩水を使うこと。2つ目は、冷たい水ではなく体温程度のぬるま湯で行うこと。3つ目は、勢いよく注入せず、ゆっくり弱い力で行うことです。この3つを守るだけで、鼻うがいはずっと快適になります。プールで鼻に水が入ったときのツーンとした痛みは、真水だからこそ起こるものです。生理食塩水を正しく使えば、その痛みは避けられます。最初は不安でも、慣れれば鼻がすっきりして気持ちよく感じられる方が多いです。」
都筑俊寛 銀座PHCクリニック耳鼻咽喉科 院長 / 耳鼻咽喉科専門医 医師プロフィールはこちら
痛くない鼻うがいのために押さえたいコツをまとめます。生理食塩水(約0.9%)を使うこと、体温に近い温度(36〜40℃)で行うこと、勢いよく注入せず最初はゆっくり弱い力で自分に合った圧に調整することが基本です。これらを守ることで、刺激や痛みを感じにくくなります。慣れないうちは短時間から始め、徐々に慣らしていくとよいでしょう。
鼻うがいのやり方で注意すべきポイント
鼻うがいは正しく行えば安全ですが、誤った方法では中耳炎などのトラブルにつながることがあります。以下の点に注意してください。
上を大きく向かないこと。洗浄液が耳に入り中耳炎になる恐れがあるため、前かがみの姿勢を保ちます。勢いよく注入しないこと。液が耳に流れ込んだり鼻の粘膜を傷つけたりするため、弱い力で行います。洗浄液を飲み込まないこと。耳に水が流れ込み中耳炎の原因になることがあります。洗浄後に強く鼻をかまないこと。強くかむと耳に圧がかかります。片方ずつやさしくかみましょう。鼻の中に洗浄液を残さないこと。残っていると中耳炎の危険性があります。冷水や真水を使わないこと。痛みや刺激の原因になります。使用後の器具は清潔に保つこと。洗浄・乾燥させて衛生的に管理します。耳に痛みや違和感が出た場合は、中止して医師に相談してください。
鼻うがいは治療の代わりにはならない
鼻うがいは、花粉症・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏などの症状を和らげる補助的なセルフケアです。ただし、これらの疾患の原因そのものを治す治療ではないという点を理解しておくことが大切です。
鼻うがいで一時的に症状が和らいでも、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの根本的な治療を自己判断で中断しないでください。症状が続く場合や、粘り気のある鼻水・鼻づまり・後鼻漏・顔面の圧迫感などが長引く場合は、耳鼻咽喉科での診察と適切な治療が必要です。鼻うがいは、医療機関での治療と並行して行うことで、より効果的に症状の緩和が期待できます。また、耳の症状がある方や、鼻の粘膜の状態によっては鼻うがいが適さない場合もあるため、不安な方は行う前に医師に相談してください。
銀座PHCクリニック耳鼻咽喉科の鼻の治療について
銀座PHCクリニック耳鼻咽喉科は、東京都中央区銀座7丁目に位置する耳鼻咽喉科クリニックです。院長の都筑俊寛医師は、レーザー治療の実績が豊富な耳鼻咽喉科専門医です。花粉症・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏など、鼻の症状に対する診察と治療を行っています。鼻うがいなどのセルフケアの指導も含め、患者さんの症状に合わせた治療をご提案しています。
鼻づまりの原因となるアレルギー性鼻炎に対しては、保険適用の鼻レーザー治療を行っています。花粉症・アレルギー性鼻炎のレーザー治療費は3割負担でおよそ10,000円、初診・検査費用は約4,000〜12,000円、再診費用は約1,000〜2,000円程度が目安です(症状により検査内容が異なるため費用には幅があります。薬の処方がある場合は別途費用がかかります。お支払いは現金のみとなります)。スギ花粉症の方には体質改善を目指す舌下免疫療法にも対応しています。治療の適応は医師が初診時に判断いたします。
「鼻うがいをしても鼻の症状が続く」「花粉症や副鼻腔炎の治療を相談したい」という銀座・東京エリアの方は、ぜひ一度ご相談ください。
鼻うがいのやり方に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 鼻うがいの正しいやり方を教えてください。
鼻うがいの正しいやり方は、まず体温程度(36〜40℃)の生理食塩水を用意し、洗面台で前かがみの姿勢をとります。あごを少し引き、口を開けて「えー」と発声しながら、片方の鼻の穴から洗浄液をゆっくり流し込み、反対側の鼻や口から出します。洗浄後は強くかまず、片方ずつやさしく鼻をかんで液を出し、器具を洗浄・乾燥させます。上を向かない、勢いよく注入しない、飲み込まないことがポイントです。
Q2. 鼻うがいの生理食塩水はどうやって作りますか?
鼻うがいの生理食塩水は自宅で簡単に作れます。沸騰させて37〜40℃程度に冷ましたお湯500mlに、塩を約5g(小さじ1杯程度)溶かせば完成です。体液と同じ約0.9%の濃度にすることで、真水のようなツーンとした痛みを感じずに鼻うがいができます。作った洗浄液は保存せず使い切り、残りは捨ててください。市販の鼻うがい専用粉末を使うと手軽に適切な濃度の洗浄液が作れます。
Q3. 鼻うがいは痛くないやり方でできますか?
はい、正しいやり方を守れば鼻うがいはほとんど痛みを感じません。痛くないコツは3つあります。真水ではなく体液と同じ濃度(約0.9%)の生理食塩水を使うこと、冷水ではなく体温程度のぬるま湯で行うこと、勢いよく注入せずゆっくり弱い力で行うことです。プールで鼻に水が入るとツーンとするのは真水だからで、生理食塩水を正しく使えばその痛みは避けられます。
Q4. 鼻うがいのやり方で注意すべきことは何ですか?
鼻うがいで最も注意すべきは中耳炎を防ぐことです。上を大きく向くと洗浄液が耳に入り中耳炎の恐れがあるため、前かがみの姿勢を保ちます。勢いよく注入すると耳に液が流れ込んだり粘膜を傷つけたりするため弱い力で行い、洗浄液を飲み込まない、洗浄後に強く鼻をかまない、鼻の中に液を残さないことも大切です。耳に痛みや違和感が出た場合は中止して医師に相談してください。
Q5. 鼻うがいは毎日やってもいいですか?治療の代わりになりますか?
鼻うがいの頻度は、製品の使用方法や診察時の医師の指示に従うのが基本です。鼻うがいは症状を和らげる補助的なセルフケアであり、花粉症・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎などの原因そのものを治す治療の代わりにはなりません。鼻うがいで症状が和らいでも、必要な治療を自己判断で中断しないでください。症状が続く場合は耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることをお勧めします。
まとめ|鼻うがいは正しいやり方で安全に行うことが大切
鼻うがいは、生理食塩水で鼻の中を洗い流し、花粉・ほこり・粘り気のある鼻水などを除去する安全なセルフケアです。花粉症・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏の症状緩和や、風邪予防の鼻腔ケアとして効果が期待できます。
正しいやり方のポイントは、体温程度の生理食塩水(約0.9%)を使い、前かがみで「えー」と発声しながらゆっくり流し込むことです。上を向かない、飲み込まない、強くかまないなど、中耳炎を防ぐ注意点を守ることが大切です。真水や冷水を避け、弱い力で行えば痛みもほとんどありません。
ただし、鼻うがいは補助的なセルフケアであり、原因に対する治療の代わりにはなりません。症状が続く場合は、耳鼻咽喉科での適切な治療が必要です。銀座PHCクリニック耳鼻咽喉科では、花粉症・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎などの鼻の症状に対する診察と治療を行っています。
鼻うがいをしても鼻の症状が続く銀座・東京エリアの方は、ぜひ一度ご相談ください。
※本記事は情報提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。鼻うがいが適さない場合もあり、症状が続く場合は医師にご相談ください。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。