column コラム
いびきレーザー治療の効果と費用〜保険適用で日帰り手術が可能
2025.12.28
目次
1.いびきレーザー治療とは?保険適用で受けられる軟口蓋形成術
2.保険適用の条件と費用〜約31,000円で受けられる治療
3.いびきレーザー治療の効果〜90%の方が改善を実感
4.治療の流れとダウンタイム〜日帰りで受けられる低侵襲治療
5.レーザー治療のメリットとデメリット
6.よくある質問(Q&A)
7.まとめ
いびきレーザー治療とは?保険適用で受けられる軟口蓋形成術
いびきは単なる騒音問題ではありません。
睡眠時無呼吸症候群という病気のサインである可能性があり、放置すると高血圧、心臓病、脳卒中のリスクを高める危険性があります。毎晩のいびきで熟睡できず、日中の眠気や仕事のパフォーマンス低下に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
いびきレーザー治療は、喉の奥にある軟口蓋(なんこうがい)という柔らかい組織にレーザーを照射し、気道を広げることでいびきや睡眠時無呼吸症候群の改善を目指す治療法です。正式には「軟口蓋形成術」と呼ばれ、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には保険適用となります。
この記事では、いびきレーザー治療の効果と費用、保険適用の条件、治療の流れ、ダウンタイム、注意事項について、医師の視点から詳しく解説します。
保険適用の条件と費用〜約31,000円で受けられる治療
いびきレーザー治療は、すべてのケースで保険適用となるわけではありません。
単なるいびきのみでは保険適用にならず、**睡眠時無呼吸症候群**と診断された場合に保険が適用されます。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる、または弱くなる状態が1時間に5回以上起こる病気です。
保険適用となる診断基準
保険適用を受けるためには、まず医師による診察を受け、睡眠時無呼吸症候群の可能性があると判断された場合に睡眠検査を実施します。検査にはいくつかの種類があります・・・
- 簡易検査:自宅で実施できる検査で、指先につけるパルスオキシメーターや鼻に装着するセンサーで呼吸状態を測定
- 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査):医療機関に一泊入院して行う精密検査で、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸運動、動脈血酸素飽和度など多くの生体情報を記録
一般的には、AHI(無呼吸低呼吸指数)が15以上の場合、または AHIが5以上14以下でも高血圧、心疾患、脳血管疾患、日中の過度の眠気などの合併症がある場合に治療が推奨されます。
治療費用の目安
保険適用となった場合、3割負担で**約31,000円**が目安となります。この費用には診察料、検査料、手術料が含まれます。ただし、初診時の検査費用や術後の経過観察費用は別途必要となる場合があります。
保険診療に対応している医療機関では、診察・検査も保険でカバーされるため、受診する医療機関が保険診療を行っているかどうかを事前に確認することが重要です。
いびきレーザー治療の効果〜90%の方が改善を実感
いびきレーザー治療は、多くの患者さんが改善を実感している治療法です。
当院での治療実績では、**約90%の方がいびきの改善を実感**されています。レーザーによって軟口蓋の組織を引き締めることで、睡眠中に振動しやすい部分の動きを制限し、いびきの発生を抑制します。
期待できる効果
いびきレーザー治療によって期待できる効果は以下の通りです・・・
- いびきの音量や頻度の改善:軟口蓋の振動が抑えられることで、いびきの音が小さくなる、または消失する
- 睡眠時無呼吸症候群の緩和:気道が広がることで、呼吸停止の回数が減少する
- 日中の眠気の軽減:睡眠の質が向上し、日中のパフォーマンスが改善する
- 生活習慣病リスクの低減:睡眠不足が改善されることで、高血圧や糖尿病などのリスクが下がる
効果の持続期間と限界
レーザー治療の効果は永続的ではなく、一般的に1〜2年程度とされています。治療後は組織が徐々に瘢痕化し、約2〜4週間かけて収縮していきます。この過程で気道のスペースが確保され、いびきの改善が期待されます。
ただし、BMI30以上の肥満の方や、いびきの原因が複合的な場合は効果が著しく低下する可能性があります。また、重症の睡眠時無呼吸症候群に対しては、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)が第一選択治療とされており、レーザー治療は補助的な位置づけとなります。
治療の流れとダウンタイム〜日帰りで受けられる低侵襲治療
いびきレーザー治療は、外来で実施可能な低侵襲治療として位置づけられています。
1回の治療時間は15〜30分程度で、局所麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。入院の必要がないため、患者さんが感じる負担は小さいでしょう。
治療当日の流れ
- 問診と診察:いびきの原因や重症度を評価し、治療方針を決定します
- 局所麻酔:喉の奥に麻酔スプレーやゼリーを使用し、痛みを軽減します
- レーザー照射:軟口蓋や口蓋垂にレーザーを照射し、組織を引き締めます
- 経過観察:治療後は15〜30分程度休憩し、問題がなければ帰宅できます
必要な治療回数
治療回数は症例により異なりますが、標準的には3回(3-4週間隔)の治療が推奨されます。各治療の間隔は通常3〜6週間空けますが、施設により異なります。
ダウンタイムと注意事項
治療後は軽度の痛みや違和感が1〜2週間続くことがあります。この期間は以下の点に注意が必要です・・・
- 刺激物を避ける:辛い食べ物や熱い飲み物は控えましょう
- うがいをこまめに行う:口腔内を清潔に保つことで、感染リスクを減らします
- 飲酒を控える:アルコールは組織の治癒を遅らせる可能性があります
- 激しい運動を避ける:術後1週間程度は安静に過ごしましょう
痛みや出血が少なく、身体への負担も少ないため、毎日器具をつけるなどの手間もかからず、取り入れていただきやすい治療です。
レーザー治療のメリットとデメリット
いびきレーザー治療には、多くのメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。
メリット
- 日帰りで受けられる:入院の必要がなく、仕事や日常生活への影響が少ない
- 痛みや出血が少ない:局所麻酔で行うため、術中・術後の痛みが軽減される
- 保険適用が可能:睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、3割負担で受けられる
- 高い改善率:約90%の方がいびきの改善を実感している
デメリットとリスク
一方で、以下のようなデメリットやリスクも理解しておく必要があります・・・
- 効果の持続期間が限定的:1〜2年程度で効果が薄れる可能性がある
- 術後の痛みや違和感:1〜2週間程度続くことがある
- 瘢痕形成のリスク:過剰な瘢痕組織が形成されると、逆に気道が狭窄する可能性がある
- 音声変化や嚥下障害:軟口蓋の切除により、声質が変化したり、飲み込みにくくなることがある
- 重症例には効果が限定的:重症の睡眠時無呼吸症候群にはCPAP療法が推奨される
これらのリスクを踏まえ、耳鼻咽喉科・頭頚部外科の専門医や睡眠の専門医と相談しながら治療法を選択することが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1. いびきだけでも保険適用になりますか?
いいえ、単なるいびきのみでは保険適用になりません。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に保険が適用されます。まずは専門医による診察と睡眠検査を受けることをおすすめします。
Q2. 治療後すぐに効果を実感できますか?
治療後は組織が徐々に瘢痕化し、約2〜4週間かけて収縮していきます。そのため、効果を実感するまでには数週間かかる場合があります。個人差はありますが、多くの方が1ヶ月以内に改善を感じられています。
Q3. 治療は痛いですか?
局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。治療後は軽度の痛みや違和感が1〜2週間続くことがありますが、鎮痛剤で対処可能です。
Q4. 何回治療を受ける必要がありますか?
標準的には3回(3-4週間隔)の治療が推奨されます。ただし、症例により異なるため、医師と相談しながら治療計画を立てることが重要です。
Q5. 治療後に再発することはありますか?
レーザー治療の効果は永続的ではなく、一般的に1〜2年程度とされています。再発した場合は、再度治療を受けることが可能です。ただし、生活習慣の改善や体重管理と組み合わせることで、より良い結果が得られる可能性があります。
まとめ
いびきレーザー治療は、保険適用で約31,000円(3割負担)で受けられる効果的な治療法です。
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に保険が適用され、約90%の方が改善を実感されています。痛みや出血が少なく、日帰りで受けられる低侵襲治療として、多くの方に選ばれています。
ただし、効果の持続期間は1〜2年程度と限定的であり、重症例にはCPAP療法が推奨されます。また、瘢痕形成や音声変化などのリスクも存在するため、専門医と相談しながら治療法を選択することが重要です。
いびきや睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方は、まずは専門医による診察と検査を受け、ご自身に最適な治療法を見つけましょう。生活習慣の改善や体重管理と組み合わせることで、より良い結果が得られる可能性があります。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。