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いびきのレーザー治療とは…効果・費用・痛み・術後の経過を完全解説
2025.11.25
目次
1.いびきのレーザー治療とは…効果・費用・痛み・術後の経過を完全解説
2.いびきのレーザー治療とは…その仕組みを理解する
3.レーザー治療の効果…どれくらい改善するのか
4.レーザー治療の費用…どれくらいかかるのか
5.痛みと術後の経過…実際の体験はどうなのか
6.レーザー治療のメリットとデメリット
7.睡眠時無呼吸症候群とレーザー治療
8.よくある質問(Q&A)
9.まとめ
いびきのレーザー治療とは…効果・費用・痛み・術後の経過を完全解説
近年、いびき治療の選択肢として「レーザー治療」が注目を集めています。従来の外科手術とは異なり、メスを使わずレーザーの照射で気道を広げることができるため、体への負担が少ないとされています。
しかし、本当にレーザー治療はいびき改善の効果があるのでしょうか。治療するとしたら費用はどれくらいなのか、痛みはあるのか、術後の経過はどうなのか…。多くの方が疑問に思われることでしょう。
この記事ではいびきのレーザー治療の仕組みと種類、実際に期待できる効果と持続期間、治療にかかる費用の相場、痛みや術後の経過について、レーザー治療が適している人・適さない人について解説していきます。
いびきのレーザー治療とは…その仕組みを理解する
いびきのレーザー治療は、レーザー光線を用いて口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋の組織を収縮させたり、部分的に切除したりすることで、気道を広げていびきを改善しようとする治療法です。
この治療法は1990年代から行われており、外来で実施可能な低侵襲治療として位置づけられています。
レーザー治療の基本的なメカニズム
レーザー治療の基本的なメカニズムは、レーザーの熱エネルギーによって軟部組織にコントロールされた損傷を与え、その治癒過程で組織が収縮・硬化することを利用しています。
これにより、睡眠中に振動しやすい軟口蓋や口蓋垂の動きを制限し、いびきの発生を抑制することを目的としています。治療では局所麻酔を使用し、レーザー照射によって組織の表面を蒸散させたり、組織内部に熱を加えたりします。
治療後は組織が徐々に瘢痕化し、約2〜4週間かけて収縮していきます。この過程で気道のスペースが確保され、いびきの改善が期待されるという理論です。
主なレーザー治療の種類
現在、いびき治療に使用される主なレーザーには、CO2レーザー、Nd:YAGレーザー、Er:YAGレーザーなどがあります。
CO2レーザーは最も一般的に使用されており、組織の切除や蒸散に優れています。水分に吸収されやすい特性があり、表面的な処置に適しています。
Nd:YAGレーザーは組織への浸透性が高く、深部の組織にも作用することができます。最近では、非切除型のレーザー治療として、組織を切らずに熱エネルギーだけを加える方法も開発されています。
Er:YAGレーザーは、より精密な組織の蒸散が可能で、周囲組織への熱損傷が少ないという特徴があります。当院では、患者様の症状や喉の状態に応じて、最適なレーザー治療法を選択しています。
治療の流れと必要な回数
レーザー治療は通常、外来で行われ、1回の治療時間は15〜30分程度です。まず、問診と診察により、いびきの原因や重症度を評価します。
睡眠時無呼吸症候群の可能性がある場合は、事前に睡眠検査を行うことが推奨されます。治療当日は、局所麻酔を行った後、レーザーを照射します。
治療回数は症例により異なりますが、Er:YAGレーザー(ナイトレーズ等)では標準的に3回(3-4週間隔)、従来のLAUPでは1〜7回程度の治療が必要となることがあります。各治療の間隔は通常3〜6週間空けますが、施設により異なります。
レーザー治療の効果…どれくらい改善するのか
レーザー治療を検討される方が最も気になるのは、「本当に効果があるのか」という点でしょう。
いびきのレーザー治療は、特に喉いびきの改善に効果的とされており、レーザーを使用して気道を広げることでいびきの発生を減少させます。
期待できる改善効果
個人差はありますが、およそ3回の照射で治療の効果が約1〜3年間は継続する患者が多く、その後は経過を見て追加照射を行います。
当院の調査では、初回治療で約50%の方が改善を実感し、2回目治療後では80%の方が改善したと実感されています。ただし、これは単純性いびき症や軽症の閉塞型睡眠時無呼吸の場合であり、症状の重症度によって効果は異なります。
非肥満体型(BMI<30kg/m2)と軽症の閉塞型睡眠時無呼吸(AHI<15/hr)の条件がある場合には、レーザー治療(ナイトレーズ)は、いびきの軽減に効果があるという研究結果が報告されています。
効果の持続期間と追加治療
レーザー治療の効果は永久的ではありません。3〜5回照射後に半年から数年に一度の再照射が必要です。
効果の持続期間には個人差がありますが、一般的に1〜3年程度とされています。効果が減少してきた場合は、追加照射を行うことで再び改善が期待できます。
当院では、治療後の経過観察を丁寧に行い、患者様の状態に応じて最適なタイミングで追加治療をご提案しています。
レーザー治療が適している人・適さない人
レーザー治療は、すべての方に効果があるわけではありません。以下のような条件に該当する方は、レーザー治療の効果が期待できます。
- 口蓋垂が太くて、長い
- 軟口蓋低位
- 単純性いびき症
- 軽症の閉塞型睡眠時無呼吸
- 肥満体型ではない
一方、鼻詰まりなど鼻の病気や肥満、扁桃・アデノイド肥大がいびきの原因の場合は効果が少ない場合があります。また、肥満体型のある人に対して、いびき軽減の効果が確実にあるとは言えません。
レーザー治療の費用…どれくらいかかるのか
いびきのレーザー治療を検討する際、費用は重要な判断材料となります。
いびきに対する治療は、基本的に健康保険の適応ではありません。ただし、いびきに加え、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には健康保険の適応となる場合があります。
自費診療の場合の費用相場
診療内容 初診・検査費用 レーザー治療費(3割負担) 再診費用(目安)
いびき・無呼吸症候群 約3,000~12,000円 約31,000円 約1,000~2,000円程度
医療費控除の活用
いびき治療が医師の診断に基づく医療行為として認められる場合、医療費控除の対象となる可能性があります。
年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告により税金の還付を受けることができます。詳細は税務署または税理士にご確認ください。
痛みと術後の経過…実際の体験はどうなのか
レーザー治療を受ける際、多くの方が心配されるのが「痛み」と「術後の生活」です。
従来のいびきのレーザー治療は、喉の粘膜や組織をレーザーで焼き切る切開手術が主流でした。喉の組織を除去するため再発率は低いものの、痛みが激しく10〜14日間は食事や日常生活に大きく支障をきたすものでした。
治療中の痛みについて
現在主流な、喉の組織を引き締めるレーザー治療はダウンタイムが短いまたはほとんどなく、すぐに日常生活に戻れる手軽さが人気の理由です。
ナイトレーズはのどの粘膜を切開しないことから、出血はなく、痛みがほぼ無く、麻酔が必要ありません。照射中にピリピリした痛みを感じる方がおられ、痛みに敏感な方はスプレーで一時的な粘膜への麻酔をすることが可能です。
当院では、患者様の痛みの感じ方に応じて、適切な麻酔方法を選択しています。
術後の経過と日常生活への影響
術後ものどの痛みはほとんどなく、術後当日から食事・運動制限はありません。照射時間は15〜30分程度です。
入院の必要はありません。術後は観察時間無しで帰宅可能で、直後からお仕事などの日常の生活に戻ることが可能です。
治療後は軽度の痛みや違和感が1〜2週間続くことがありますが、この期間は刺激物を避け、うがいをこまめに行うなどのケアが必要です。従来の切開型レーザー治療と比較すると、ダウンタイムが大幅に短縮されています。
術後の注意点とケア方法
術後は、以下の点に注意してケアを行うことが重要です。
- 刺激物(辛い食べ物、熱い飲み物など)を避ける
- こまめにうがいを行い、口腔内を清潔に保つ
- 禁煙・禁酒を心がける
- 十分な睡眠と休息をとる
当院では、術後の経過観察を丁寧に行い、患者様の不安や疑問に随時お答えしています。何か気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
レーザー治療のメリットとデメリット
レーザー治療を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解することが肝要です。
レーザー治療のメリット
- 出血なし、痛みがほぼ無し、麻酔の必要なし
- 術直後から食事・生活制限なし
- 安全性、治療法、効果は証明済み
- 新ナイトレーズはのどの粘膜深部までアプローチ可能
- 耳鼻咽喉科専門医が処置を施行
今まで世界的に広くされてきた治療であり、現在までに治療効果、安全性はすでに検証されており、のどへの照射方法も確立されています。
レーザー治療のデメリット
- 健康保険適応外の治療であり、自費診療の費用負担が必要
- 鼻詰まりなど鼻の病気や肥満、扁桃・アデノイド肥大がいびきの原因の場合は効果が少ない場合がある
- レーザー治療の粘膜への効果には個人差があり、効果が弱い方もいる
- 効果は半永久的ではなく、個人差はあるが、3−5回照射後に半年から数年に一度の再照射が必要
- のどにレーザーを当てる治療ですので、粘膜の熱傷のリスクがある(現在までに重大な副作用は報告されていない)
これらのメリット・デメリットを踏まえ、医師と相談して適切なプランで契約することが重要です。
睡眠時無呼吸症候群とレーザー治療
いびきと深く関連する睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。
レーザー治療により気道が確保されれば、睡眠時無呼吸症候群の症状改善も期待できます。ただし、レーザー治療が睡眠時無呼吸症候群に対して効果的かどうかについては、慎重な判断が必要です。
睡眠時無呼吸症候群に対する効果
2017年に発表された研究では、過去に行われた23件の研究データを統合し、合計717人もの睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者さんがレーザー治療を受けた結果を分析しました。
その結果、治療が「成功」した人は23%、治療で「完治」した人は8%、治療でかえって「悪化」した人は44%でした。これらの客観的な数字は、いびきレーザー治療が、睡眠時無呼吸の根本的な解決にはならず、むしろ多くの患者さんにとって有害な結果をもたらす危険性をはっきりと示しています。
CPAP療法との比較
睡眠時無呼吸症候群の治療として、CPAP療法が第一選択とされています。CPAP療法は、睡眠中に鼻マスクを装着し、持続的に陽圧をかけることで気道を確保する治療法です。
CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群に対して高い効果が証明されており、保険適用も可能です。一方、レーザー治療は睡眠時無呼吸症候群には効果が限定的で、軽症例に限られます。
当院では、睡眠時無呼吸症候群の診断、重症例に対してのCPAP治療を施行しております。患者様の症状や重症度に応じて、最適な治療法をご提案しています。
よくある質問(Q&A)
Q1. レーザー治療は誰でも受けられますか?
いいえ、すべての方が受けられるわけではありません。いびきの重症度や症状改善の見込み、検査結果、年齢、体重、顔面の骨格などを全て考慮して、医師が総合的に判断します。事前の診察と検査が必須です。
Q2. レーザー治療の効果はどれくらい持続しますか?
個人差はありますが、一般的に1〜3年程度とされています。効果が減少してきた場合は、追加照射を行うことで再び改善が期待できます。
Q3. 治療後すぐに仕事に戻れますか?
はい、可能です。現在主流の切らないレーザー治療は、術後観察時間無しで帰宅可能で、直後からお仕事などの日常の生活に戻ることが可能です。
Q4. 肥満体型でもレーザー治療は効果がありますか?
肥満体型のある人に対して、いびき軽減の効果が確実にあるとは言えません。WHO基準の肥満(BMI>30kg/m2)がある場合、レーザー治療の効果および長期予後については不明です。まずは減量を優先することをお勧めします。
Q5. レーザー治療は保険適用されますか?
いびきに対する治療は、基本的に健康保険の適応ではありません。ただし、いびきに加え、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、一部の治療法(CPAP療法や軟口蓋口蓋垂形成術など)が健康保険の適応となる場合があります。
まとめ
いびきのレーザー治療は、切らない低侵襲治療として注目されていますが、効果には個人差があり、すべての方に適しているわけではありません。
非肥満体型で軽症の閉塞型睡眠時無呼吸の方には効果が期待できますが、肥満体型や中等症〜重症の睡眠時無呼吸の方には効果が限定的です。また、効果は1〜3年程度で、定期的な追加治療が必要です。
いびき治療を検討される際は、まず専門医による診察を受け、ご自身の症状や原因を正確に把握することが重要です。当院では、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。
いびきでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。詳細はコレージュクリニックの公式サイトでご確認いただけます。
コレージュクリニックとは

当院は、いびきをはじめ、睡眠時無呼吸症候群や花粉症・アレルギー性鼻炎などの診療を専門とする耳鼻咽喉科クリニックです。
いびきは単なる音の問題にとどまらず、時に健康へ深刻な影響を及ぼすこともあります。当院では、原因や症状を丁寧に見極めたうえで、適切な診断と治療をご提案し、質の高い睡眠の回復をめざします。
一人ひとりに寄り添いながら、健やかな眠りと快適な毎日をサポートいたします。
レーザー治療は保険適用、自己負担は約3割
ほとんどの治療は健康保険が適用され、自己負担額はおよそ31,000円前後。保険証をお忘れなくご持参ください。
医師紹介
都筑 俊寛(つづく としひろ)

耳鼻咽喉科専門医。レーザー治療の臨床と研究に長年携わり、28,000件以上の治療実績をもつ。
- 日本耳鼻咽喉科学会認定 専門医
- 日本めまい平衡医学会 参与
- 日本臨床医療レーザー協会 会員
- 帝京大学医学部 元准教授
いびきは単なる音の問題ではありません。 睡眠の質を下げ、生活の質を大きく損なうこともあります。 専門医として、安心できる診断と治療を通じて、より良い毎日を取り戻すお手伝いができればと願っています。